平成19年9月25日
社団法人 関西経済同友会
代表幹事 齊 藤 紀 彦
福田新政権は、引き続き参議院が与野党逆転する中での大変厳しい船出となった。臨時国会開会中であるため、前政権の閣僚の多数が留任することとなったが、安定感と実行力に期待のもてる堅実な布陣であり、山積する諸課題に真正面から取り組んでいただきたい。
新政権は、年金記録問題をはじめ、地方の疲弊や格差の拡大への対応など喫緊の国内課題はもとより、テロ対策特別措置法など国際的課題への対応も急務である。
福田首相には、国民の声に真摯に耳を傾けるとともに、国際社会の期待に遅滞なく応え、グローバル化の中でわが国が将来に渡って輝くために、次の4つの視点を踏まえた改革の推進をお願いしたい。
(1)国際社会への貢献
わが国が世界の平和と安定のために発言力と行動力をもって貢献することが、今の複雑化する国際社会の中で強く求められている。とりわけ、インド洋上での海上給油活動は、テロとの戦いに多大な貢献を果たすものとして国際的に高い評価を得ており、その継続を求める声は大きい。野党の理解と協力を得て、海上給油活動を継続すべきである。
また、今後わが国が国際社会において重要な役割を果たしていくためには、第9条をはじめとする憲法問題を避けて通ることはできない。国の根幹にかかわる憲法問題が政争の具とならないように、与野党で幅広い議論を重ねて、国の将来像について国民的合意を形成していただきたい。
(2)グローバル化への対応
グローバル競争が激しさを増す中、今後わが国が持続的な発展を成し遂げるためには、わが国企業が、絶えざるイノベーションによって常に魅力的な商品やサービスを世界に発信し続けることが何よりも重要である。
福田首相には、わが国の生命線であるイノベーション促進のための環境整備や、東アジアとのEPAをはじめとする経済連携など、しっかりした成長戦略を打ち出し、企業や地域の競争力強化を後押ししていただきたい。
(3)構造改革の継続
わが国の厳しい財政事情の中で、政治目標である2011年までのプライマリーバランス黒字化を成し遂げるためには、構造改革の手を緩めることなく、歳出削減と規制緩和をさらに進めていくことが欠かせない。
福田首相には、年金を含めた社会保障制度の抜本改革を断行していただきたい。また、公務員制度改革も後退させることもなく、スリムで効率的な政府を目指していただきたい。
(4)地方分権・道州制の推進
人口減少社会を迎えたわが国が、今後財政再建と国家の繁栄を両立していくためには、地方の活力を引き出して国力の底上げをする必要があり、そのためには、道州制も視野に入れた地方分権を推進していくことが不可欠である。
福田首相には、分権改革の政治日程をしっかりと定めて、与野党あげたスピード感のある分権論議を進めていただきたい。
以 上