関西経済同友会とは

平成 30 年度事業計画

平成30年4月1日

世界とつながる「開かれた大阪・関西」の実現を目指す

一般社団法人 関西経済同友会

Ⅰ.基本認識

 グローバル資本主義の行き詰まりとデジタル革命の加速度的な進展は世界を大きく変えつつある。先進国では格差が拡大し、低成長が常態化する一方で、急激な経済成長を遂げる新興国では、かつて日本人が経験した経済成長とは全く異なるプロセスとスピードで社会変革が進んでいる。国家間格差が縮小し、世界中どこにいても情報・人材・資本の入手・調達が容易になったことで、世界の企業および人々がより有利な条件を求めてビジネスの場や生活の場を選択できる時代になった。結果として、国家の枠組みを越えて大都市の存在と役割の重要性が飛躍的に高まる、いわゆる「世界都市間競争」に拍車がかかっている。

 このことは、大阪・関西の自律的発展を期す上で追い風である。今こそ、「日本の中の大阪・関西」から「世界の中の大阪・関西」へ目線を上げることで、人材・産業・文化・金融・サービス等を世界から呼び込み、多様性を原動力とした価値創造の基盤を大阪・関西に構築する好機である。

 以上の現状認識から、今年度の関西経済同友会の活動において、次の3点を重視する。

 一つ目は、経営者自身の価値観の転換とイノベーションの促進である。世界の産業構造が劇的に変わりつつある中で、現状を客観的に見つめ、将来への健全な危機感を持つべきである。経営者自身が自らの矜持と責任のもと、世界の知識・技術を貪欲に取り込み、無意識の前例主義を打ち壊し、グローバル競争に打ち勝つ関西独自の成長モデルを見出す必要がある。自らの生き残りをかけ、イノベーションの仕組みを作り、それを持続可能にする人材の確保・育成を図る。大胆かつ迅速な行動が求められる。

 二つ目は、我々が目指すべき新たな社会像の探求である。人間の寿命が延び、モノが飽和する社会において、幸せで安定した生活を維持するためには、経済的な豊かさに加え、人間的な豊かさの追求が不可欠である。量的成長と質的成長を両立し得る社会とはどういうものか、その中で企業が採るべき具体的な道筋について検討が必要である。

 三つ目は、大阪・関西独自の魅力創出である。今年度は、2025年国際博覧会の誘致が正念場を迎える。また、G20サミットの開催とゴールデンスポーツイヤーズも目前に迫り、さらには、夢洲におけるMICE・IR構想も動き始める。これら地域発展のための起爆剤と、すでにある都市の魅力を有機的に結びつけ、生涯を通じて心身ともに健康で、一人ひとりが個性を発揮し活躍できる「いのち輝く未来社会」の実現にどのようにつなげていくのか。具現化のための方策を早急に検討する必要がある。

 以上の課題認識に基づき、今年度は、『世界とつながる「開かれた大阪・関西」の実現』を全体の活動テーマとし、地域・企業、およびそれを支える国の活性化のため、活発な議論を促すことで、尖った提言の発信を目指す。

Ⅱ.重点課題

A.「開かれた大阪・関西」の基盤をつくる

デジタル革命の動向を把握し、そのもとで企業が持続力と競争力を保持する方策、およびそれらを支える諸制度のあり方を探り、提言する。併せてベンチャーエコシステムの実装支援など、関西経済の飛躍につながる提言・活動を行う。

B.次世代が誇りと希望を持てる国のあり方を問う

人口減少・高齢者増加のなかで日本が世界的な競争を生き残るための量的・質的成長を実現する経済や、若者や女性や高齢者が活躍でき、国の基盤を損ねるような格差を生まない社会のあり方、および、それらを可能にする制度・システムについて研究し、提言する。

C.大阪・関西が世界に誇る魅力を発掘・発信する

関西の交流人口を拡大させつつ、訪れる人暮らす人双方のQOL向上を実現する政策や取り組みを検討・提言する。万博、MICE・IR、ゴールデンスポーツイヤーズなどの大型案件・イベントに加え、すでにある都市の魅力を有機的に結びつけることで、大阪・関西が持つポテンシャルを開花させ、内外に発信する方策を検討する。

Ⅲ.活動方針

  1. 関西経済同友会は、過去70余年の歴史において大事にしてきた自主独立の気風と先進性を継承する。
  2. 国や地域の発展に資する存在であるために、すべての活動、発言において “Open” “Unique” “Dynamic” を指針とする。
  3. 会員相互の切磋琢磨が関西経済同友会の活力の源泉であり、会員各位に弛まぬ自己研鑽を求めると共に、互いが啓発し合える自由闊達な議論の場を設ける。

Ⅳ.具体的な活動計画

上記の基本認識・重点課題・活動方針に基づき、以下の委員会を設けて活動を行う。

<同友会全体としての活動や課題に取り組む組織>

1. 総合政策審議会

 同友会の発信力向上と提言実現を目的に、政治家や行政関係者等と交流を進める。

2. 調査企画部会

 代表幹事の諮問を受け、適宜、諸問題、課題に対して検討を行う。

3. 経済同友会連携会議

 西日本はじめ全国の同友会と活発な交流を図り、連携を深め、提言力を高める。

<国・自治体への政策提言および企業への行動促進を主目的とする委員会>

1. 企業経営委員会

 社会ニーズや産業構造が急速に変化する時代における既存企業の成長戦略を議論する。

2. デジタルソサエティ委員会

 デジタル技術の進化による革新が企業・社会へもたらす影響について研究する。

3. データ利活用委員会

 リアルデータの共有・利活用による協創事例の研究とさらなる推進のための課題と方策を探る。

4. 関西版ベンチャーエコシステム委員会

 関西のベンチャー企業の情報一元化と発信、および産学官連携による事業機会拡大を後押しする。

5. 関西ブリッジフォーラム推進委員会

 関西ブリッジフォーラムを軸に関西のベンチャー企業と既存企業・大学の橋渡しを実践する。

6. 中堅企業委員会

 中堅企業の顧客価値創造の取り組みについて研究する。

7. 海外交流委員会

 関西・ハーバードフォーラムとボストン・シンポジウムの企画・立案・開催を支援する。

8. 資本主義の未来委員会

 日本が目指すべき社会像の探求と資本主義のあり方について研究する。

9. 安全保障委員会

 緊迫する東アジア情勢を踏まえた国の安全保障体制について時宜を捉えた活動を行う。

10. 経済政策委員会

 財政健全化と経済成長を両立する経済財政運営のあり方について研究する。

11. 地方分権改革委員会

 関西広域連合が進むべき道筋の検討を通じて地方分権の意義とあり方について研究する。

12. 子どもの未来委員会

 親世代の貧困が子どもの成長の制約にならない社会の実現に向けた方策について研究する。

13. 人生100年時代委員会

 人生100年時代の生き方・働き方・学び方、およびそれを支える制度を考える。

14. 関西都市魅力向上委員会

 関西の都市魅力向上に向けたリブランディングのあり方を海外諸都市の事例などから学ぶ。

15. 万博&MICE・IR推進委員会

 夢洲における万博、MICE・IRの実現に資する活動を行う。

16. 大阪食文化委員会

 インバウンド振興に寄与する大阪の食文化について研究する。

17. 文化の力委員会

 大阪の芸術・文化の研究と、それらを活かした経営のあり方について研究する。
 あわせて、企業が所有する美術品を活用した美術品展を企画・支援する。

18. 関西2019・20・21委員会

 ラグビーワールドカップならびにワールド・マスターズ・ゲームズ開催に向けた機運を醸成する。

<特定事業の支援・実行に取り組む委員会>

1. 関西広域インフラ委員会

 関西の広域インフラ事業について支援する(「中之島四丁目再生医療国際拠点」の計画については分科会を設置する)

2. サイバー適塾支援委員会

 サイバー適塾の会員増強、ならびにカリキュラムの充実について支援する。

3. お水汲み祭り支援委員会

 「堂島薬師堂節分お水汲み祭り」の支援を通じて水都大阪の魅力向上に取り組む。

<会員相互の交流・自己啓発を主目的とする委員会>

1. 会員懇談会

 時宜を得た講師の招聘による啓発活動を推進し、会員相互の交流を促進する。

2. 時事問題研究会

 時事問題をテーマとした有識者による講演会、現場への視察や意見交換を行う。

3. 若手の会

 若手会員(50歳未満)の交流促進と同友会の中核人材育成の場を担う。

 

なお、上記委員会がカバーしていない事柄で会員向けに情報提供が必要とされるものについては、事務局の自主企画として、講演会、勉強会等を適時開催する。