関西経済同友会とは

令和元年度 事業計画

2025年、そしてその先へ~大阪・関西の新たな挑戦~

一般社団法人 関西経済同友会

Ⅰ.基本認識

 経済のグローバル化は、世界規模での経済成長を生み出す一方で、富の偏在による所得格差・不平等を拡大させた。各地で自国第一主義やポピュリズムが台頭し、国内の社会・政治の混乱だけでなく、国際協調体制の乱れを引き起こしている。またデジタル革命の加速度的な進展は、社会・産業のあり方を大きく変え、個人の生き方や豊かさの定義にも変容を迫っている。
世界が「不確実性」を増す中、各国のフラット化や情報のボーダレス化、人材・資本移動のシームレス化を背景に、企業・個人がビジネス活動・生活の場を自由に選択する、いわゆる都市間競争は激化の一途をたどっている。

 我が国では、財政健全化や少子高齢化・人手不足などの課題が山積し、社会の持続性は不透明感を増しつつある。また、依然として、過去の成功体験への執着や法・規制などの硬直的な制度、東京一極集中は続いており、経済成長の推進力も限定されている。これらの諸問題を解決するための打ち手を講じることが急務であるが、国レベルで統一的・横断的に行うのは難しいため、地域・都市レベルで実験的に実証し、社会全体へ速やかに実装する必要性が高まっている。

 そのような状況下、「2025 年大阪・関西万博」の開催が決定した。万博は、世界に向けて「新たな社会像」を発信する絶好の機会であり、日本が示す姿に世界中が注目・期待している。また「未来社会の実験場」というコンセプトは新たな取り組みに必要な土壌づくりを必然的に迫り、大阪・関西発の諸課題解決に向けた様々なチャレンジを可能とする。加えて、大阪・関西では、2025 年までに G20、ゴールデン・スポーツイヤーズ、中之島プロジェクト、うめきたプロジェクト、MICE・IR など、世界の英知が結集する機会が豊富にあり、国際的な文化交流の促進はイノベーションの源泉となる。

 これらの大阪・関西の経済浮揚の起爆剤となるイベントを最大限活用するために“今やらなければならないこと”を実践・実装することに加え、万博の先を見据えた「大阪・関西のありたい姿、独自の魅力的な未来像」を描き、さらなる発展の道筋をつけることが求められる。
世界に冠たる都市「大阪・関西」として、世界中から「ヒト・モノ・カネ・情報」を集め、都市間競争に打ち勝つための新たな挑戦が“今”始まる。

 以上の基本認識を踏まえ、今年度の重点課題を、次の 3 点とする

① Challenge「次のステージに進むための実践・実装」
② Design「さらなる発展を見据え魅力的な未来像を描く」
③ Base「チャレンジとデザインが持続可能な基盤・環境づくり」

Ⅱ.重点課題

Challenge「次のステージに進むための実践・実装」

 社会・産業が大きく変容する中で企業が持続的成長を実現するため、より実践を重視した議論や提言を行う。
万博、MICE・IR、ゴールデン・スポーツイヤーズなど、関西経済発展に資するプロジェクト・イベントに向け、ベンチャーエコシステムの実装支援や食・芸術・文化などの大阪・関西が誇る魅力の内外への発信強化に資する活動を行う。

Design「さらなる発展を見据え、魅力的な未来像を描く」

 万博、MICE・IR、ゴールデン・スポーツイヤーズなどのプロジェクト・イベントを単発的に終わらせることなく、それぞれを未来に向けたマイルストーンとして有機的につなげる施策を検討する。大阪・関西の 20~30 年先を見据えた「ありたい都市像」・「誰もが夢・希望を持つことができる未来像」について研究し、提言する。

Base「チャレンジとデザインの実現が可能な基盤・環境づくり」

 財政健全化や安全保障など内外の諸問題の解決に向けた道筋の模索、デジタル化や地方分権の推進など、“Challenge”と“Design”を持続可能とするための安心・安全・自由な土壌づくりに向けた提言・活動を行うとともに、それらに関連したネットワークの構築に取り組む。

Ⅲ.活動方針

  1. 過去から受け継がれてきた自主独立の気風と先進性を継承する。
  2. 同友会の活動活性化のため、多様性・包摂性および会員間相互の交流促進を図るとともに、関西・日本の発展に寄与する創造性・実効性を重視した提言活動を実施する。
  3. 指針として「何のため、誰のため」の活動・提言なのかを強く意識する。

Ⅳ.具体的な活動計画

 上記の基本認識・重点課題・活動方針に基づき、以下の委員会を設けて活動を行う。

<同友会全体としての活動や課題に取り組む組織>

1.総合政策審議会

 同友会の発信力向上と提言実現を目的に、政治家や行政関係者等と交流を進める。

2.調査企画部会

 代表幹事の諮問を受け、適宜、諸問題、課題に対して検討を行う。

3.経済同友会連携会議

 西日本はじめ全国の同友会と活発な交流を図り、連携を深め、提言力を高める。

4.西日本経済同友会会員合同懇談会準備委員会

 2020 年 10 月開催予定の第 118 回西日本経済同友会会員合同懇談会の企画・準備を行う。

<国・自治体への政策提言および企業・経営者等への行動促進を主目的とする委員会>

 重点課題「Challenge、Design、Base」の分野毎に対応した委員会を設置。

Challenge「次のステージに進むための実践・実装」

1.企業経営委員会

 激変する事業環境で勝ち抜く為に実践すべき戦略を議論する。

2.中堅企業委員会

 フィールドワークや講演会等を通じて、過去の成功モデルに囚われない事業変革手法を学び、中堅・中小企業の持続的成長への舵取りを実践する。

3.関西版ベンチャーエコシステム委員会

 関西版ベンチャーエコシステムが形成されつつある中、さらなる社会実装へ向けた取り組みを行う。

4.関西ブリッジフォーラム推進委員会

 関西ブリッジフォーラムを軸に関西のベンチャー企業と既存企業・大学の橋渡しを実践する。

5.大阪食文化委員会

 関西活性化に寄与するイベントの到来に向け、世界に誇る「大阪の食文化」について調査・研究し、発信方法の模索を行う。また、大阪の食文化を愉しむ体験を通じて会員間の親睦を図る。

6.文化の力委員会

 講演会や体験を通じ、大阪が誇る芸術・文化に改めて目を向けることで研究を深め、内外への発信および世界の文化との交流の促進を図る。
あわせて企業が所有する美術品を活用した美術品展の開催(2 回目)を企画・支援する。

Design「さらなる発展を見据え、魅力的な未来像を描く」

7.「関西×スポーツ」委員会

 スポーツを起点としたビジネス・ツーリズムのあり方、関西発「生涯スポーツ」の普及の施策について研究する。あわせてゴールデン・スポーツイヤーズの機運醸成に向けた活動を行う。

8.大阪・関西 EXPO2025 委員会

 大阪・関西万博に向けて、世界に発信すべき未来社会の具体的コンセプト(SDGs含め)について研究する。万博の主役を担うであろう若者や女性等との意見交換会の開催も検討する。

9.MICE・IR 推進委員会

 MICE・IR の大阪誘致に向けた活動および実現後を見越した関西全体に経済効果が波及するための仕組みづくりについて研究する。

10.関西 Re デザイン委員会

 万博の先を見据え、大阪・関西の独自の魅力的な未来像・ビジョンを描き、目指すべきポジションや都市戦略のあり方について調査・研究する。

11.人生 100 年時代委員会

 人生100年時代の生き方・働き方・学び方、およびそれを支える制度について考える。

Base「チャレンジとデザインの実現が可能な基盤・環境づくり」

12.デジタルソサエティ委員会

 日本が目指すべきデジタル社会のあり方と企業が果たすべき役割について調査・研究する。

13.関西レジリエンス委員会

 関西に住む人・訪れる人の安心・安全を確保するために必要なことは何かについて研究する。

14.安全保障委員会

 同盟国も例外としない米国の自国第一主義、先を見通せない東アジア情勢下における日本の果たすべき役割を研究する。

15.経済政策委員会

 日本の持続的な経済成長の実現に向けた経済政策について、従来の財政健全化や次年度予算・税制に対する提言・活動に限らず、幅広な視点で研究を行う。

16.地方分権委員会

 関西における地方分権に向けた歩みを振り返り、関西の地域活性化という観点も踏まえ、これからの地方分権のあり方等について研究する。

17.海外交流委員会

 第 27 回ボストン・シンポジウムおよび関西・ハーバードフォーラム(2020 年度)の企画・立案・開催を支援する。

<主に特定事業の支援・実行に取り組む委員会>

1.関西広域インフラ委員会

 関西の広域インフラ事業について支援する(中之島 4 丁目の再生医療国際拠点計画については分科会設置)。

2.サイバー適塾支援委員会

 サイバー適塾の会員増強、ならびにカリキュラムの充実について支援する。

3.お水汲み祭り支援委員会

 「堂島薬師堂節分お水汲み祭り」の支援を通じて水都大阪の魅力向上に取り組む。

<会員相互の交流・自己啓発を主目的とする委員会>

1.会員懇談会

 時宜を得た講師の招聘による啓発活動を推進し、会員相互の交流を促進する。

2.経営塾

 変革・挑戦を続ける企業の経営者等による講演会を実施する。

3.若手の会

 メンバーの自主運営による若手会員(50 歳未満)の交流促進と自己研鑽を行い、次世代の同友会の中核人材育成の場を担う。
なお、上記委員会がカバーしていない事柄等で会員向けに情報提供が必要とされるものについては、事務局の自主企画として、講演会、勉強会等を適時開催する。