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提言・アピール

「若者政策」を国家戦略の柱に!! ~若者の自律を支え、人口減少による国力低下を乗り越える~

2017.12.13update

関西経済同友会 次世代志向の政策を考える委員会(委員長=古市 健 日本生命保険 代表取締役副会長)は、提言「『若者政策』を国家戦略の柱に!!~若者の自律を支え、人口減少による国力低下を乗り越える~」を取り纏め、12月13日に発表しました。

わが国では今、世界に例を見ないスピードでの高齢化が進み、同時に若者人口の急速な減少も進行している。結果、日本はどの国も経験したことのない「超少子高齢社会」を迎えようとしている。
また、世界第3位の経済大国でありながら、税収のみでは景気浮揚や社会保障等の政策財源が捻出できずに、借金を積み上げ、GDPに対する政府公債残高比率は世界最悪の水準である。にもかかわらず、消費税増税や社会保障費抑制等、痛みを伴う改革の先送りが繰り返され、つけは次世代に回されてきている。

提言1【政府・政党への提言】
「若者政策」を国家戦略の柱とすることを政府が宣言 ~ 推進組織として「若者庁」を新設 ~
○従来の「女性」「高齢者」活躍推進等と同様、「若者政策」を国家戦略の柱とすることを政府が宣言(「骨太の方針」等に記載)
○その推進組織として、若者の“側”に立ち、政策を省庁横断的にリード・支援し、フォローする「若者庁」を新設

提言2【自治体・企業・NPO団体への提言】
地域社会一体となり、若者の自律を促進する3つの育成の「場」を創造
- 逼迫する学校教育に依存し過ぎない学校外でのキャリア教育・人間教育の場の充実
(1)「社会人・主権者入門の場」:
   社会で“生き抜き、また社会を自ら創っていく”ための実体験を早期に積む場
(2)「クロスジェネレーションの場」:
   高齢者が“知・経験”を活かし、教育・育児等の直接支援を行う場
(3)「就職・起業支援の場」:
   実社会への飛躍・挑戦を支える場

提言3【高齢者・政府への提言】 
若者育成の「場」や運営組織を支援する「次世代応援ファンド」を新設
- 高齢者が次世代に託したい・遺したいという想いを形にする手段の提供
○地域社会で、学校教育外での若者育成を担う運営組織となるNPO団体・大学等を支援する財源として、「次世代応援ファンド」を新設

近代民主主義の勃興期、アイルランドのエドマンド・バークは、社会は単に現代人の事業ではなく過去と現在と将来の世代を超えた共同事業であるといった考え方を示している。我々もこれ以上、次世代への負債のつけ回しをすべきではない。国を挙げて、今こそわが国のこれからを担う若者への投資を実現すべき時である。

当委員会の提言が、政府の「人づくり革命」の取組の中で、若者の自律を支えていく、政府・自治体・企業・地域社会一体となったムーブメントを起こす一助となることを期待する。

以上