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提言・アピール

急ごう医療の構造改革
~戦略なき総額抑制から、21世紀中葉の医療事情変化に即した構造改革へ~

2005.11.01update

2005年11月
関西経済同友会

医療改革委員会

多くの人々は「人口構成の高齢化で、わが国の医療費が今後急膨張する」と思い込んでいる。しかし、高齢化の及ぼす影響だけを取り出すと、医療費がピークを打つ2030年までをとっても年平均0.8%で増加するに過ぎなく、これは統御可能の範囲内といえる。

わが国の医療問題の本質は、国民の「医療水準」を、将来にわたって成熟国にふさわしいレベルに維持向上させる手順・道筋をどうつけていくかにある。すなわち、「医療水準」を引き上げるコストを誰がどう負担し、如何に早く安く普及させていくのかの戦略が必要なのである。「医療水準」高度化の中身は、例えば、医療新技術や新薬等技術進歩への対応をはじめ、高齢化の進行とともに急増する慢性複合疾患への対応のために専門医相互間の協力体制をどう構築していくのか、遠隔地医療、ネットワーク医療等、将来の医療需要の構造変化に医療提供体制をいかにしてマッチさせていくのかといったことである。

人口の高齢化で医療費が急膨張するから、その総額抑制の手段として厚労省はまたまた受診抑制策を打ち出しているが、わが国医療問題の本質から遠く外れているといわざるを得ない。

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