提言・アピール

第9回「沖縄・関西交流セミナー」

2011.12.01update

2011年12月1日
沖縄経済同友会
関西経済同友会

沖縄経済同友会および関西経済同友会は第9回「沖縄・関西交流セミナー」を開催し、「沖縄で考える東アジアの安定~我が国の安全保障政策への指針~」をテーマに、日本の安全保障問題を中心に活発な議論を交わした結果、以下のとおりアピールする。

  1. 政府は普天間飛行場移設の早期実現のため、沖縄及び米国との協議に最大限努力すべきである。
    • 市街地に存在する普天間飛行場は、地元住民にとって極めて危険な施設であり、一刻も早い移設が必要である。政府は、過度の負担を強いている沖縄に対する負担軽減策と併せ、1日も早い移設が実現するよう沖縄及び米国との協議に最大限努力すべきである。
    • 関西経済同友会は、日米関係において、普天間飛行場移設問題は既に先送りできない最大の課題となっており、万一、これ以上、日本の決断が先送りされるような事態になれば、東アジア地域の平和と安定の礎である同盟関係が大きく揺らぎかねないとの懸念を示し、政府に大いなる危機感を持って取り組むよう求めた。
  2. 東アジア地域の平和と安定に向けて、日米同盟の深化を図るとともに、様々な枠組みを通じたアジア諸国との関係強化に取り組むべきである。
    • 東アジア地域の平和と安定には、日米同盟の深化による抑止力に加え、韓米同盟、日韓の関係強化を加えた戦略的トライアングル体制が不可欠である。政府は、日韓の連携を強化し、両国の関係をより深めていくとともに、東南アジア諸国との関係強化も積極的に進めるべきである。
    • 日米同盟の深化を図るには、軍事脅威への対応のみならず、災害などにも連携して対応できるような体制を構築すべきである。
    • 関西経済同友会は、東日本大震災での米軍の『トモダチ作戦』が日米同盟の深化に有益だったと評価したうえで、さらに日米同盟を有効に機能させるために、集団的自衛権の政府解釈の変更を行うよう求めた。
  3. 「自分の国は自分で守る」という自覚と信念の下、国民全体でわが国の安全保障のあり方を考え、議論すべきである。
    • 東アジアサミットにおいて、海洋に関する国際法が地域の平和と安定維持の規範であるとの宣言が採択されたことは大いに歓迎するものであり、米国はじめ同様の見解に立つ国々との連携強化を一層推進すべきである。
    • 国家テロやサイバーテロ、大規模災害、パンデミックなど、軍事だけでは対応できない新たな脅威に立ち向かうべく、政府は早急に基本政策を立案し、遂行すべきである。
    • 関西経済同友会は、近年、中国が海洋活動の範囲を東・南シナ海、太平洋にまで拡大するなど覇権主義的な動きを強めていることを懸念し、わが国は自国の海域を守るため、離島、島嶼部に対する強固な防衛体制の早急な構築、武器輸出三原則等の弾力的運用を通じ、中長期を見据え、基盤的防衛力を強化するよう求めた。
    • 沖縄の基地問題は沖縄だけの問題でなく、日本国民全体で考えていくべき問題だと認識すべきである。これを踏まえ、沖縄経済同友会と関西経済同友会は、その場として、経済人、文化人などによる「日本の安全保障を考える国民会議」の設置を強く求める。