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私達の取り組み
直島新美術館 館長 三木あき子氏 講演会「アートで未来をデザインする―創造的思考と国際的視座―」を開催
2025年7月30日
大阪・関西の文化力向上

直島新美術館 館長 三木あき子氏 講演会「アートで未来をデザインする―創造的思考と国際的視座―」を開催

文化・芸術の力委員会(委員長=久保行央 トヨタモビリティ新大阪 代表取締役社長)では、7月30日、2025年5月31日に開館した直島新美術館 館長 三木あき子氏を講師に迎え、講演会を開催。「アートで未来をデザインする―創造的思考と国際的視座―」をテーマにお話を伺いました。


■直島新美術館 館長 三木あき子氏

“300年先につながる未来”をつくるアートの力

現代アートは、ものの見方、感じ方、考え方を拡げる力を持ち、人々の意識に変革を促す。アートは答えが一つではなく、既成概念を問う役割も担う。現代アートのキュレーターは、美術館や芸術祭など多様な表現や実験の場を作り、言語化し後世に伝える。美術館の機能は時代とともに変化し、オルタナティブな価値の提案、地域再生の原動力となり、人が集まる交流の場になっている。

90年代初頭にロンドンICAと協働で実施した、関西の美術家集団具体美術協会の初期の活動を日本の現代美術の出発点と捉える企画では、吉原治良氏の「人のまねをするな」の精神のもと追求された革新的表現だけでなく、閉塞的な状況を乗り越え独自に世界と繋がる動きも注目された。直島に長年関わる大阪出身の建築家、安藤忠雄氏は「面白いことが重要」と言う。主流を超えていく、良い意味での「異端」「アウトロー」を生み出すのは、自由な発想で面白い事を評価する大阪の土壌もあるのではないか。

準備段階から関わったパリの実験的アートセンター、パレ・ド・トーキョーでは、若手を含むグローバルで多様な才能を受け入れ、民間支援も積極的に活用。冷戦構造崩壊や欧州統合の流れの中での都市間におけるパリの文化的競争力刷新の一翼を担う。

ベネッセアートサイト直島は、福武總一郎名誉顧問が創業者の志を継ぎ、過疎化が進む離島でアートを軸に地域再生を推進。美術館アート施設群が自然や集落の中に融合し、自然と人間の関係性や現代社会の課題考察へと誘う。アート鑑賞を超えて、「よく生きる」を考える場、300年先を見据える同サイト10番目の安藤建築となる直島新美術館は、アジアのアートを主に多様な交流を図る。

アートは、文化や宗教を超えて共感し対話できる希望の場。異なる視点は、新たな魅力や可能性の発見を促す。美術館の成果はすぐに見えないが、時間を経て未来へとつながる文化の礎となる。経済人が土地の文化を大切に思い、支える存在となることを期待する。