関西経済同友会とは

令和8年度 事業計画

令和8年4月1日

“笑顔溢れる賑わい”創出に向け、大阪・関西が新たな扉を開く

一般社団法人 関西経済同友会

Ⅰ.環境認識

〈世界の構造変化〉

  • 世界は、地政学リスクの常態化と、AIの飛躍的進化やエネルギー転換を契機とする産業構造の急変が、相互に影響し合いながら同時進行する、不確実性の時代にある。
  • 米国ではトランプ政権2.0のもとで政策の振れ幅が拡大し、中国は先端技術の自立自強と国家安全保障を最優先とする姿勢を一段と強めている。米中対立に加え、世界各地での紛争や経済安全保障を巡る緊張が断続的に発生するなど、対立と相互依存が交錯する国際環境が前提となりつつある。
  • 一方、AIの急速かつ不可逆的な進化と社会実装が、産業競争力や都市機能の在り方を根本から変えつつある。AIを使いこなし、人材・投資等を積極的に呼び込める地域と、そうでない地域との差は拡大し、新たな格差要因となりつつある。
  • こうした構造変化のもと、世界経済はインフレの高止まりと低成長が併存する局面にある。足元では米国とイランを巡る緊張により原油価格が押し上げられ、物価や物流コストへのさらなる波及が懸念されている。そして、各国は、重要鉱物の確保、循環型経済への移行、エネルギー安全保障と脱炭素の両立など、成長と安定を同時に追求する構造的課題への対応を迫られている。

〈国内環境の転換と関西の課題・機会〉

  • 日本では、危機管理投資・成長投資による「強い経済」の実現を掲げる政策のもと、設備投資は堅調を保つ一方、中国との関係悪化が企業活動リスクを高め、外需の不確実性が増している。
  • 大阪・関西は、万博終了後にインバウンドが一服する状況を迎えつつ、2030年のMICE・IR開業を見据えた「次の5年(2026–2030)」を、産業・都市・人材の総合力を高める決定的な助走期間として捉える必要がある。
  • 人口減少と産業転換が重なり合う中、新産業の創出、都市魅力の再定義、人材獲得・育成の強化によって、万博の熱量を持続可能な成長へ結び付けられるかが問われている。

Ⅱ.基本方針

  • 政策提言や発信を通じて、わが国及び大阪・関西の経済・社会の発展に寄与する。
  • 各委員会は、それぞれの専門性と使命に基づき、多角的な調査・研究活動を通じて、関西経済同友会全体の提言力および発信力の強化に努める。
  • また、政策領域にとどまらず、文化・スポーツ・人材・国際など多様な分野を扱う委員会が、交流・懇談・研鑽を重ねることで、会員同士が相互に知見を拡げ・深め、同友会活動の厚みを形成するとともに、大阪・関西の未来を構想するための基盤を構築する。

Ⅲ.重点取組

〈新たな5年間のスタートとしての位置づけ〉

  • 2026年度は、万博の盛り上がりを一過性に終わらせず、2030年のMICE・IR開業に向けた「5年の助走」を本格始動する極めて重要な年である。
  • 関西経済同友会は、不断に研鑽を重ね、提言力・知見向上を図り、「“笑顔溢れる賑わい”創出に向け、大阪・関西が新たな扉を開く」を事業計画の中心に据え、万博からMICE・IRへと続く国際的関心と人流・投資の流れを途切れさせることなく、産業・都市・人材の競争力強化へとつなげていく役割を担う。

〈重点テーマ〉

  • そのために、大阪・関西の成長力・魅力・競争力を高めるために不可欠なテーマである「産業政策」・「都市機能政策」・「人的資本政策」に重点を置き、下記4つの実効性ある具体的提言を行う。
    • 中・長期的な大阪・関西のイノベーション創出
    • 大阪・関西の(夢洲を起点とした)新たな賑わい創出
    • 産業や人、投資を呼び込む魅力あふれる大阪・関西の街づくり
    • 人口減少社会において、誰もがイキイキと活躍できる大阪・関西の在り方
  • これらの提言を有機的に連動させ、2026年度を「新たな5年間の出発点」として、万博のレガシーをMICE・IRの飛躍にとどめることなく、大阪・関西が西日本のゲートウェイとしての地位を確立するための橋渡し元年とする。

〈重点取組の構図〉

Ⅳ.活動計画

上記に基づき、以下の委員会を設けて活動を行う。

【全体運営・取組支援】

  1. 調査企画部会
    -代表幹事の諮問を受け、適宜、諸問題・課題の検討を行う
  2. 経済同友会連携会議
    -全国の同友会と活発な交流を図り、連携を深める
  3. グローバル適塾支援委員会
    -グローバル適塾の会員増強ならびにカリキュラムの充実を支援する
  4. お水汲み祭り支援委員会
    -「堂島薬師堂節分お水汲み祭り」の支援を通じて水都大阪の都市魅力向上に取り組む
  5. 80周年記念事業実行委員会
    -関西経済同友会設立80周年を迎え、記念行事の企画・実行を担う
  6. 瀬戸内舟運研究会
    -大阪湾・瀬戸内海舟運観光による関西・西日本の成長を目指した研究を行う

【委員会(交流・懇談・研鑽)】

  1. 会員懇談会
    -時宜を得たテーマによる啓発活動を行うとともに、会員相互の交流を促進する
  2. 若手の会
    -若手会員(50歳未満)の交流を促進し、同友会の次代を担う中核人材を育成する
  3. 大阪食文化委員会
    -大阪の食に関する理解を深めるとともに、食文化の体験機会を通じた会員相互の交流を促進する
  4. 文化・芸術の力委員会
    -芸術文化を学ぶとともに、地域の発展・企業イノベーションに活かすための活動を行う
  5. スポーツ委員会
    -スポーツの様々な側面とその価値について調査・研究するとともに、スポーツの魅力を体験できる機会を提供する
  6. カンパニー エグゼクティブズ懇談会
    -次代の同友会を担う役員クラスが、同友会活動に即したテーマなどで互いに研鑽し、視座を高める
  7. 女性リーダー塾
    -女性リーダーの活躍に資する各種活動を行う
  8. 海外交流委員会
    -海外情勢の調査・研究を行うとともに、海外視察を検討する各委員会のサポートを行う(海外視察の企画・実行も検討)
  9. 国際シンポ・フォーラム企画実行委員会
    -「ボストン・シンポジウム」の企画・実行を担う
  10. 関西ブリッジフォーラム推進委員会
    -大阪・関西の成長のために、さらなる活躍が期待される若手経営者と先輩経営者との橋渡しを推進する

【委員会(重点テーマ)】

  1. 大阪・関西 イノベーション創出委員会 -中・長期的な大阪・関西のイノベーション創出を加速する提言を行う
  2. 大阪・関西 賑わい創出委員会
    -大阪・関西の(夢洲を起点とした)新たな賑わい創出に向けた提言を行う
  3. Global TOP都市機能委員会
    -産業や人、投資を呼び込む魅力あふれる大阪・関西の街づくりを描く提言を行う
  4. 持続可能な人口減少社会委員会
    -人口減少社会において、誰もがイキイキと活躍できる大阪・関西の在り方を描く提言を行う
  5. 大阪・関西の道筋を考える委員会
    -上記4委員会の相互連携を行う

【委員会(常設)】

  1. 安全保障委員会
    -我が国の安全保障を巡る諸問題の解決・緩和に向けた活動を行う
  2. 経済財政政策委員会
    -我が国の経済財政政策に関して幅広く調査・研究し、議論を行う
  3. 中堅企業委員会
    -特色ある事業活動や経営課題について調査・研究し、時代に即した中堅企業の経営について議論を行う

【委員会(調査・研究・提言)】

  1. グローバル・ベンチャーエコシステム委員会
    -大阪・関西を世界有数のベンチャーエコシステムとする活動やベンチャーの1桁アップ成長などを議論する
  2. 教育問題委員会
    -教育にまつわる調査・研究を行うとともに、企業と大学の連携を深める取組みを行う
  3. サーキュラーエコノミー委員会
    -サーキュラーエコノミーをはじめとする環境分野に関する調査・研究を行うとともに、大阪・関西が世界をリードする環境先進地域となるための活動に取組む
  4. 地域創生委員会
    -地域がそれぞれの特徴を活かして自律的で持続可能な社会を創るための調査・研究を行う

なお、上記委員会がカバーしていないテーマで会員向けに情報提供が必要とされるものについては、適宜、代表幹事・事務局の自主企画として講演会や勉強会などを開催する。