歌舞伎俳優 片岡孝太郎氏・古典芸能解説者 葛西聖司氏 対談企画「大阪松竹座の節目に学ぶ、上方文化の継承と発信」を開催
文化・芸術の力委員会(委員長=久保行央 トヨタモビリティ新大阪 代表取締役社長)では、8月6日、歌舞伎俳優 片岡孝太郎氏と古典芸能解説者 葛西聖司氏を講師に迎え、対談企画を実施しました。会場では、大阪松竹座の閉館を受け、上方文化の歴史、道頓堀における劇場文化の存続と伝統芸能の継承について熱い議論が交わされました。
■歌舞伎俳優 片岡孝太郎氏、古典芸能解説者 葛西聖司氏
上方歌舞伎の歴史は、試練の連続であった。かつて関西での歌舞伎公演が途絶えかけた際、祖父・十三代目仁左衛門らは自費を投じて「仁左衛門歌舞伎」を立ち上げ、手作りで上方歌舞伎の灯を守り抜いた。その後、道頓堀の朝日座や中座、そして大阪松竹座へと舞台は継承され、役者と観客が一体となる独自の演劇空間が育まれてきた。
大阪松竹座は、客席との距離が近く、若手が鍛えられ、上方歌舞伎の花を咲かせる重要な修練の場であった。しかし今、その劇場が大きな節目を迎えている。日本文化の発祥地であり、江戸時代から演劇の殿堂であった道頓堀から劇場の灯が消えることは、上方文化の根幹に関わる問題だ。
文化の継承には、ハードとソフトの両方が不可欠である。博多座や名古屋の御園座のように、地域経済界や行政が一体となって劇場文化を支える仕組みが必要だ。道頓堀という象徴的な場所に、花道を備えた本格的な劇場拠点を復活させることが、西日本全体の文化発信力の強化につながる。
同時に、「上方歌舞伎塾」などを通じて次世代を担う若手俳優を育成し、層を厚くしていくソフト面の取り組みも大切な使命である。道頓堀の歴史的魅力を活かした経営支援や交通インフラとの連携も考えられるだろう。上方文化の発展に向けた力強いご支援をお願いしたい。



