私達の取り組み
第55回 関西財界セミナーを開催
2017年2月10日
関西財界セミナー

第55回 関西財界セミナーを開催

55回 関西財界セミナー宣言

  われわれは、第55回関西財界セミナーにおいて、「温故創新~総力でつくる未来~」をテーマに議論を行った。これを踏まえて以下の通り宣言する。

1.わが国は、自由と民主主義、法による支配の原則を貫く国際社会のリーダーとして、国連を含む外交、経済的・人的交流を通じ各国と重層的な協力関係を築いていかねばならない。世界の経済、安全保障環境が米国新大統領の登場、中国の領土拡張主義などにより劇的に変化しようとしている中、日米同盟を深化させつつも、防衛力の増強など、「自分の国は自分で守る」安全保障政策を考える時に来ている。わが国は、国民が平和と安全保障を「我が事」とする教育のあり方について、また、憲法改正の是非に関しても議論を深める必要がある。

2.われわれは、「反グローバリズム」の主張が米欧などで勢いを増していることを強く懸念する。日本の成長には、アジア太平洋地域や欧州などとの経済連携の推進が不可欠であり、政府には自由・公正な貿易ルール作りに先導的な役割を果たすことを求める。われわれも、こうした役割への国際的な支持が得られるよう、技術力や価値観・文化面の魅力などソフトパワーの海外発信や現地人材の育成に取り組み、世界の潮流の変化を見据え、想定外の事態にも適切に対処できるよう備えを固め、リスクをチャンスに変える柔軟な経営を進める。

3.われわれは、6人に1人と言われる「子供の貧困」の拡大に強い懸念を覚える。この「貧困の連鎖」の放置が社会の基盤を崩壊させ、日本の経済成長を阻害し、企業経営環境を悪化させることにも強い危機感を抱く。個人の責任に帰属しない貧困・格差の是正や平等な機会の提供、教育のあり方も含め、社会全体で取り組んでいく。企業はNPOや行政との連携を深め、社会のあり方の変革「ソーシャルイノベーション」を実現することで、問題解決を図る。

4.関西は、人口減少下における経済成長の実現等に向け、東京一極集中からの脱却を促し、アジアのゲートウェイとして役割を果たして「複眼型の国土」の核となることを目指す。そのために、われわれは、リニア中央新幹線と北陸新幹線の早期全線開通、高速道路ミッシングリンクの解消、関空アクセス改善などのインフラ整備を国に積極的に働きかけるとともに、これらを活用した中長期的な関西の発展戦略を描いて実行する。また、関西広域連合との連携や共同事業を深化し、成長戦略としても地方分権・道州制の先導役となる。

5.関西は、超高齢社会における諸問題の解決や地域経済に新たな活力を与えるため、関西ワールドマスターズゲームズ2021を契機として生涯スポーツ先進地域を目指す。そのためには、「ゴールデン・スポーツイヤーズ」(201921年)に3年連続日本で開催される国際メガスポーツイベントの成功に向けた気運醸成と受入環境整備を推進する。産学官・競技団体、特にスポーツ庁との連携を一層強め、明確な役割分担の下、関西スポーツ関連産業の課題やビジョンを共有のうえ、オール関西で協議し、具体化していくための組織を検討する。

6.われわれは、AI・ロボティクス分野のイノベーションを積極的に活用し、経営環境等の変化を見据えた新たなビジネスモデルの構築、経営体制の再設計、AIに対応できる人材育成に取り組む。また、欧米型のガバナンスに追従するだけでなく、「社会の役に立つ」という倫理観に基づき、企業を支える全てのステークホルダーの利益に資する経営を進める。資本市場には、企業の短期的な成果(四半期業績開示等)のみに囚われず、経営理念等に基づいた中長期的な視野に立った取り組みが必要であることに理解を求めたい。

 上記に加え、関西は、観光立国推進の観点から、夢洲へのMICEIRの誘致実現に向けて取り組みを進めるとともに、関西の強みである健康・医療産業の更なる発展や、新産業創出に向けた持続的ベンチャー育成システムづくりに取り組む。またゴールデン・スポーツイヤーズ後の日本の成長の核となる「2025年国際博覧会」の大阪開催実現に向けて、政府、自治体、関係機関等と協力しながら一体的な誘致活動を展開する。併せて、政府には、わが国の持続的成長の実現に向け、「成長戦略」と「財政再建」の両立を求める。そして、産業活動を支えるための安定したエネルギー供給源として、安全性が確認された原子力発電所の早期再稼動も同時に強く求めていく。

以上