大阪中之島美術館 絵画鑑賞会 ~進化を続ける美術館の挑戦~
文化・芸術の力委員会(委員長=久保行央 トヨタモビリティ新大阪 代表取締役社長)では、2018年~2021年度 コーポレート・アート・コレクション「なにわの企業が集めた絵画の物語」展(第1回、第2回、第3回)の成果を未来に継承すべく、2月13日、本会では5回目となる大阪中之島美術館企画として、絵画鑑賞会を実施しました。菅谷富夫館長と主任学芸員2名の講話により、進化を続ける美術館の挑戦と開催中の2つの展覧会について知見を深め、アートの魅力を堪能しました。
「大阪中之島美術館、2025年度の挑戦と今後の展望」
大阪中之島美術館 館長 菅谷 富夫 氏
本年度、当館は万博の文脈に合わせ多角的な挑戦を続けてきた。大阪発のゲームをアートとして再定義した「カプコン展」や、最新技術を吸収した「ルイ・ヴィトン展」等を通じ、表現の地平を拓いた。地域作家の再評価と国際的な現代アートの発信にも努める。インバウンド客が来場者の3割を占め、海外からの来場者は現代美術への関心が高い。
当館の使命は、親しみやすさと学術的真摯さを両立し、来館者に既成概念を揺さぶる未知の価値を提示することにある。今後も意外性のある挑戦を続け、関西の文化力を高めていく。
「拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ」
大阪中之島美術館 主任学芸員 國井 綾氏
1924年にアンドレ・ブルトンが提唱したシュルレアリスムは、フロイトの精神分析の影響を受け、夢や無意識の可視化を試みた運動だ。本展では、国内の名品を集結させ、その多彩な表現を辿る。
最大の見どころは、広告やインテリア、E・スキャパレッリのファッションへと波及した「拡大」の軌跡だ。自動筆記などの多様な手法を通じ、バラエティに富むシュルレアリスムの表現、日常に潜む超現実的な視点と、芸術が社会に与えた変革の全貌を、当館ならではの構成で感じていただきたい。
「サラ・モリス 取引権限」
大阪中之島美術館 主任学芸員 中村 史子氏
国際的アートシーンを牽引するサラ・モリスは、都市構造の背後にある経済・政治の力学を鋭く描き出す作家だ。本展は、NYを拠点に活動する彼女の日本初の大個展である。題名の「取引権限」は、社会を形
作る契約や権力の行使を象徴している。
展示は鮮やかな幾何学的抽象画と映像で構成され、20日間を費やした巨大壁画や大阪を題材とした映像は必見である。複雑な格子模様に象徴される現代社会のシステム、都市の深層を突く彼女の眼差しを、世界的な視点から会場で直接体感いただきたい。


