代表幹事コメント

「国際コンテナ戦略港湾」の阪神港指定について

2010.08.06update

社団法人 関西経済同友会
代表幹事 大竹 伸一

本日、「国際コンテナ戦略港湾」として阪神港が指定された。物流の集中化による産業集積や物流効率化による我が国競争力強化、さらには大規模災害等へのリスク分散の観点から、東西2つの国際ハブ港湾のひとつとして、阪神港が指定されたことを歓迎したい。阪神港周囲には、次世代を担う先端産業が集積しており、今後我が国の産業成長の牽引役となることは間違いない。しかしながら、国際ハブ港湾としての地位を確立し、関西の製品競争力向上に向けて、早急に対処すべき課題も多い。阪神港の年間コンテナ取扱量は、シンガポール・上海の約6分の1、釜山の約3分の1にすぎず、海外のハブ港湾に大きく水をあけられている。このままでは現行の欧米を中心とした基幹航路を他港湾に奪われ、フィーダー(支線)化してしまうことが懸念される。そのためには、埠頭会社の経営統合など財務基盤強化によるターミナル利用コストの低廉化や、通関手続きのさらなる円滑化による輸出入にかかるリードタイムの短縮、さらには大型化するコンテナ船に対応するための深水化やメガ・コンテナクレーンの増強など、官民挙げた取り組みを推進する必要がある。また、関西国際空港の国際ハブ空港化の推進や、阪神高速淀川左岸線をはじめとするミッシングリンクの解消など、陸・海・空が一体となった総合的かつ効率的な物流ネットワークの構築に加え、総合特区化により、関西をアジア・世界の物流および人材交流のハブ拠点として経済発展させていくべきである。

以上