代表幹事コメント

円高の更新について

2011.08.19update

社団法人 関西経済同友会
代表幹事 大林 剛郎

ニューヨーク外国為替市場において円相場が今年3月17日に付けた最高値(1ドル76円25銭)を上回った。この円相場は、日本経済の実力を反映したものではない。欧米の通貨に比べて、相対的に安全とされる円が買われただけである。

このまま政府が手を拱いていると、産業界の必死の経営努力も水泡に帰してしまう。財政再建の遅れから日本国債の格下げも懸念されており、株安・円高・国債格下げのトリプルダメージとなれば、日本は深刻な状態に陥る。

短期の為替動向に一喜一憂することなく経済活動が行えるよう、政府は成長戦略、財政再建など日本経済のファンダメンタルズを強化する政策を、時期を失することなく実行していくべきである。

以上