代表幹事コメント

参議院議員通常選挙の結果について

2016.07.10update

一般社団法人 関西経済同友会
代表幹事 鈴木 博之

与党が改選議席の過半数を獲得したことで、安倍政権及びアベノミクス等の政策に対し一定の信任があったものと理解する。長期安定政権の下、日本の着実な成長に向け歩を進めることを期待する。

しかしながら、経済成長と財政再建の実現を始め、日本が抱える問題や対応すべき課題の解決は待ったなしである。とりわけ、参議院選挙直前に消費税率引き上げの再先送りを政権は決定した。この方針は今回信任されたと見なしても、社会保障と税の一体改革で赤字財政を縮小して国際社会の信認を取り戻し、同時に負の遺産を将来世代に先送りしてはならないとの国民の願いが消えたわけではない。国は国民の安心・安全を確保するのが任務であり、安倍政権はこの大きな命題に真摯に取り組んでもらいたい。

一方、世界に目を転ずれば、地政学的なリスクの高まり、英国のEU離脱問題など政治・経済両面において、国際社会は不安定さを増している。日本も国際社会の安定と秩序の維持に貢献すべきである。

憲法問題に関しては、国会での慎重かつ丁寧な議論が行われることが望まれる。憲法改正には、有力野党を含めた圧倒的多数での発議による国民投票があるべき姿であり、数に頼り国民を分断するような状態での発議は絶対に避けるべきである。この点に心して議論を尽くしてもらいたい。

なお、東京一極集中の是正は急務である。首都圏に並び立つ極となるべき関西の活性化のためには、予てより当会の主張するIR推進法案の次期国会での成立を望む。

以上