代表幹事コメント

参議院議員選挙の結果について

2010.07.11update

社団法人関西経済同友会
代表幹事 山中 諄

本日の参院選は、民主党が改選議席数を大幅に下回るとともに、現行連立与党が非改選議席を含めても過半数を割り、与党が敗北する結果となった。民主党は、消費税を含む税制の抜本改革を訴えるなど、衆院選マニフェストを修正し、自覚ある責任政党として選挙に臨んだことは評価できる。しかし選挙で訴えた政策は説明不足が目立ち有権者の理解を得ることができなかった。加えて、国のかたちを示すビジョンが必ずしも明確でなかったことや、政治とカネ、普天間基地問題の迷走などもあり、有権者が不安感・失望感を抱くとともに、今般の政策では今後のわが国の運営を委ねがたいと判断されたことが、この選挙結果につながったと考えられる。これは、連立与党が衆参両院とも過半数を占め、一方的な政権運営が行われることを懸念した有権者のバランス感覚が働いたためとも言えよう。現行連立与党の枠組みのもとでは衆参ねじれ国会となり、政権運営が立ち行かなくなりかねない。現在のわが国を取り巻く厳しい環境からすると党利党略に明け暮れる余裕はなく、今後民主党を中心とした新たな連立を目指すなど、政治に停滞をもたらさないようにして頂きたい。その際、国民目線で十分な政策論議を行い、単なる数合わせではなく主たる政策の一致を前提とすべきである。デフレ脱却・経済成長と歳出・歳入一体改革による財政再建の両立こそ、安心して暮らせる活力ある社会を実現する要である。連立与党は政策を総動員して、具体的な工程表の下、その実現に向けてまい進すべできある。あわせて、道州制導入も視野に入れた地域主権への道筋明確化と、現実的な外交・安全保障政策の推進にも、取り組んで頂きたい。また、社会保障制度と税制の抜本改革は当面最大の課題となろうが、国会での超党派の議論を促進するためにも、政労使などをメンバーとする国民会議を設置し、国民的合意を得るように努めて頂きたい。

以上