代表幹事コメント

大阪中之島美術館の開館に寄せて

2022.02.02update

一般社団法人 関西経済同友会
代表幹事 古市 健

  • 本日、大阪中之島美術館が開館した。コロナ感染症拡大で世の中に閉塞感が漂い、とりわけ文化・芸術に影を落とす中での明るいニュースであり、心より開館を祝いたい。
  • 構想から約40年を経て、佐伯祐三作品をはじめ約6千点もの大阪と関わりのある近現代の美術・デザイン作品の収集に尽力され、この度の開館を実現された関係各位に、心から敬意を表する。国際的に評価の高い西洋美術も充実し、所蔵品がMOMA等の美術館に既に出展されるなど、世界への発信力のある美術館が誕生したことを大変誇らしく思う。
  • 当会では、新美術館開設も念頭に、文化・芸術面での様々な取組みを行ってきた。例えば、会員企業が所蔵する絵画を集めて「なにわの企業が集めた絵画の物語展」を開催し、地域の子どもたちの感性を育む「対話型鑑賞プログラム」などを提供している。
     また昨年3月には、新美術館のあり方に関する提言を発表し、「子どもたちを対象とするアートを活かしたアクティブ・ラーニングの機会提供」「都市価値向上に向けた市民に開かれた美術館の実現」などを求めた。こうした提言が、市民と共に学び合う「共育する美術館」というコンセプトに取り入れられていることを歓迎する。
  • 中之島は、2020年7月のこども本の森中之島(図書館)や本日の新美術館の開館などによって、大阪を代表する文化・芸術ゾーンとしての魅力がますます充実している。今後も、2024年「未来医療国際拠点」開業、2031年「なにわ筋線」開業も予定されるなど、街としての更なる発展も見込まれるエリアである。新美術館の開館が、水都大阪のシンボルの中之島の発展と、大阪の都市魅力・価値向上に寄与することを期待したい。

以上