代表幹事コメント

年頭にあたって ~結果を求め、動く年に~

2016.01.01update

一般社団法人関西経済同友会
代表幹事 村尾 和俊
代表幹事 蔭山 秀一

あけましておめでとうございます。
皆様、健やかに新春を迎えられたことと、お慶び申し上げます。

さて、昨今の世界と日本を取り巻く環境を俯瞰いたしますと、経済の側面では、中国を含む新興国や資源国の経済の先行きが不透明であることに加え、9年半振りの米国の利上げが世界経済にどのような影響をもたらすかなど、海外情勢に注視しなければならない状況が続いています。また、持続的な経済成長の基盤となる安全保障の側面では、イスラム過激派組織が国際社会全体の不安定化を招き、日本を取り巻く東アジア周辺においては、力による現状変更を意図する動きが見られ、決して楽観視できる状況ではありません。

国内に目を転じますと、少子化と高齢化が進展する中、安倍政権は、日本経済の回復を確かなものにすべく、「新三本の矢」により強い経済の実現と次世代志向の取り組みを進め、同時に、東京一極集中の是正と地方創生に向けた取り組みを進めています。外交や安全保障の側面では、平和安全法制が整備され、日本及び国際社会の平和と安全の確保に関し一歩進んだ対応が可能となります。また、大筋合意に至ったTPPを速やかに批准・発効させることにより、環太平洋地域の経済発展と平和維持にもつなげることが期待されます。経済再生とともに財政健全化への道筋をつけ、外交や安全保障においては諸外国との未来志向型の信頼関係を構築し、「強い国づくり」を実現していかなければならないと考えます。

翻って、関西では、先の大阪府知事・大阪市長ダブル選挙により、今後4年間の行政運営を委ねる知事・市長が選出されました。東京一極集中が進む中、大阪・関西の活性化は待ったなしの状況であり、これまでの対立構造を乗り越え、対話と連携により、成長戦略や行財政改革を進めていただくことを期待しています。関西広域の課題について、より積極的に関与していただき、特に、MICE・IRの誘致、ワールドマスターズゲームズの開催、並びに地方創生を具現化する取り組みである政府機関の移転に関し、「関西は一つ」となり、関西全体のリーダーとしての役割を果たしていただきたいと考えています。地域が一体となって、好調なインバウンドを継続させるとともに、特区を活用した健康・医療産業の振興などにも取り組み、「強い地域づくり」を実現する必要があります。

当会としては、これまでと同様に積極的な提言活動等を通じ、国や地域のあり方について意見提起していくとともに、関西活性化を目指した取り組みについては、他の同友会や経済団体、関連自治体等との連携を図りつつ貢献したいと考えています。また、当会は本年、設立70周年を迎えます。これまでの活動を支えてくださった諸先輩方から引き継いだ伝統を次世代へと紡いでいくとともに、ハーバード大学との新交流プログラムを企画するなど、新たな試みにも取り組んでまいります。会員の皆さまをはじめとする関係各位におかれましては、引き続きのご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

以上