代表幹事コメント

年頭にあたって

2013.01.01update

一般社団法人 関西経済同友会
代表幹事 大林 剛郎
代表幹事 鳥井 信吾

あけましておめでとうございます。
皆様、お健やかに新年を迎えられたことと、お慶び申し上げます。

さて、昨年12月の衆議院議員選挙の結果、新政権が誕生しました。これを機に、わが国の政治には長く続いた停滞から脱却し、国民に新しい日本の形を示すとともに、これまで先送りされてきた重要課題に正面から向き合って対処していくことを求めます。国民の側にも、消費税増税や社会保障費負担増など、今後予想される痛みを受け入れる覚悟が必要です。新政権は、時間を空費することなく課題を一つ一つ着実に処理して政治を安定させ、国内外の信頼を取り戻していただきたいと思います。

3年目に入る震災復興では、民間の努力に比して政治のリーダーシップや貌が見えないと感じています。是非とも被災地のニーズに応じたきめ細かい復旧・復興を政治主導で進めるべきです。

日本経済には、成長戦略、財政再建、長引くデフレからの脱却、行き過ぎた円高の是正、電力供給不安の解消、TPP交渉への即時参加表明など、待ったなしの課題が山積しております。特に財政再建については、現状を放置すれば国家破綻をも招きかねない、という強い危機感を全国民が共有すべきです。何より、今年こそ実効性のある成長戦略を速やかに推進していくことが必要です。

目を外に転じますと、昨年は米国、中国、韓国、ロシアなど主要国で指導者が選出され、今年は各国の政権が本格的に動き出す年となります。一方、わが国の周辺では、国の安全保障を根本から脅かしかねない事案の発生が続いております。政治の無為によって失墜したわが国の国際的プレゼンスを回復するとともに、日米安全保障体制をより強固なものにしていくことが、わが国の政治・外交にとって待ったなしの課題です。

関西においては、大阪府・市の改革や地域主権型道州制の実現に向けた動きが緒についたばかりであり、この歩みを遅らせることは許されません。また、関西企業が活力と国際競争力を取り戻すためには、多様性や革新性、文化力など従来からの関西の強みを活かすとともに、顧客ニーズに沿った技術力や商品開発力やマーケティング力を伸ばしていくことが必要であり、我々も積極的に関与していきたいと考えております。

今年も内外ともに多端な年となることが予想されますが、このような年であるからこそ、関西経済同友会は同友会らしい自由闊達な議論を通して「新しい日本の形」を示し、発信してまいりたいと存じます。関係各位におかれましては、引き続き、ご支援・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

以上