代表幹事コメント

菅 新首相の選出について

2010.06.04update

社団法人 関西経済同友会
代表幹事 大竹 伸一

菅 新首相には、国民の声に真摯に耳を傾け、日本のあるべき姿(将来)を見据えた国家ビジョンを策定して欲しい。さらには、この国の進むべき方向性について、政局にとらわれることなく、地に足のついたマニフェストを明示し、国家安全保障や財政問題、成長戦略や重要法案等、山積する政策課題にぶれずに取り組んでもらいたい。また、今度こそ「政治とカネ」の問題から決別すべきである。政治資金規正法の改正等、透明性を担保する仕組みにより、クリーンな政治を行い、国民の信頼回復に努めるべきである。前体制においては、リーダーシップの欠如や政府・与党の一体感のない政権運営により、迷走した感が否めない。新首相は、国民の政治不安を払拭するためにも、強いリーダーシップのもと、政府・与党の足並みをしっかりと揃え、一枚岩で政治の機能不全を解消していただきたい。加えて、諸外国との持続的な信頼関係を構築すべく、言行一致した政策の実行を切望する。組閣にあたっては、党内のパワーバランスに固執することなく、安定した国家運営を第一義に考えるべきである。外交・安全保障においては、日米同盟を基軸としてアジア地域の安定と繁栄につながる国家安全保障政策を推進すべきであり、普天間基地移設問題については、国民の理解を得ながら取り組むべきである。未来においても日本が持続的な発展を遂げるためには、地域の力を国力につなげる地域主権の実現が必要である。近く発表が予定されている地域主権戦略大綱においては、道州制導入とその工程を明示し、「道州制推進基本法」を早急に制定することを望む。

以上