朝日新聞社 専務取締役 大阪本社代表 堀越礼子氏 講演会「フェルメールを大阪に迎えるまで ―展覧会ビジネスの舞台裏と、文化が動かす関西の未来 ―」を開催
文化・芸術の力委員会(委員長=久保行央 トヨタモビリティ新大阪 代表取締役社長)では、7月14日、朝日新聞社 専務取締役 大阪本社代表 堀越礼子氏を講師に迎え、講演会を開催。「フェルメールを大阪に迎えるまで ―展覧会ビジネスの舞台裏と、文化が動かす関西の未来 ―」をテーマにお話を伺いました。
■朝日新聞社 専務取締役 大阪本社代表 堀越礼子 氏
弊社は1879年の創刊以来、全国高等学校野球選手権大会の創始や「ミロのビーナス展」「ツタンカーメン展」など、利益の一部をイベントや美術展を通じて社会に還元してきた。報道機関の枠を超え、質の高い文化を届けることで、社会との接点を構築してきた歴史がある。
今夏の「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展」は、オランダのマウリッツハイス美術館の改修という好機を捉え、長年の信頼関係のもとで直接交渉を行い実現した。円安や国際情勢の緊迫化に伴い海外展のコストが高騰する中、激しい誘致競争を勝ち抜き大阪・中之島への招致を成功させた。
本展では、フェルメール作品2点を含む、マウリッツハイス美術館所蔵12作品を展示する。本展の実現は、主催者のみならず、会場確保や資金面で強力な後押しをいただいた関西経済界の熱い志と共創の賜物である。文化の力で大阪に人を呼び寄せ、万博で世界各国と深まった絆を次世代に引き継ぎ、本物に触れる機会を継続・発展させる意義がある。
現在、わが国の文化予算は国際的に極めて低い水準にあり、国立の博物館・美術館に対しても自己収入比率の引き上げが求められるなど、構造的転換期を迎えている。公費だけでも、市場だけでも、文化は守れない。公共を軸に、企業が知恵と人材と資金で支える仕組みが重要だ。
関西の文化力向上に向けて必要なのは、資金・体制・人材だ。複数の領域・組織・人材を組み合わせ、新しい生活文化や社会システムを構想し実装する「プロデューサー型トップ」が重要である。関西は小林一三氏や松下幸之助氏、佐治敬三氏といった、高い志と構想力で社会を変革する名経営者を多数輩出してきた。また、この分野で優れた能力を発揮する女性をはじめとする多様な人材のキャリアを後押しすることは、組織のイノベーションと関西の持続的な経済循環を生む原動力となる。



