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提言・アピール等

万博のソフトレガシーにより大阪・関西を『いのち輝く未来社会』に ~追体験・進体験の街へ~

2025.11.07update

一般社団法人 関西経済同友会
万博レガシー委員会

関西経済同友会 万博レガシー委員会(委員長=南 和利 りそな銀行 取締役副社長兼執行役員)は、【提言】「万博のソフトレガシーにより大阪・関西を『いのち輝く未来社会』に ~追体験・進体験の街へ~」を取り纏め、11月7日に記者発表を行いました。

本委員会では、議論が進行しているハードと比較して、ソフトが目に見えず、定着に時間を要する性質を持つ点、「広義の社会課題解決」や「経済成長」へのインパクトが大きい点を踏まえ着目しました。ソフトレガシーを残すことにより、まずは大阪・関西が「いのち輝く未来社会」実現の先陣を切ることを目指します。

【提言Ⅰ】理念継承発展のために、主体組織の設立を

一刻も早い主体組織の設立により、レガシーを残すためのリーダーシップ発揮を

■万博の理念継承発展には、情報を集約・発信する主体組織の役割が大きい。時限組織である博覧会協会の解散で理念継承発展の停滞を避けるため、一刻も早い博覧会協会の後継となる主体組織の設立を求めたい。

■また、博覧会協会の後継組織だけでなく、万博レガシーにつながる様々な分野ごとに、特化した新たな主体組織が設立されることや、既存組織による主体的な活動がさらに広がることも重要である。

■これら主体組織にはリーダーシップを発揮し、提言Ⅱ以降に述べる活動の実践やフォローも含め、リアル・デジタルの両面から、理念継承発展のため様々な万博レガシーを残すことへの尽力を期待する。

【提言Ⅱ】より多くの技術の実装化に向け、追体験・進体験の場の提供を

技術実装化に向けた認知度向上のため、追体験に加え、進体験の場の提供を

■万博という実験場に登場した技術の実装化に向けては、万博後の継続的な「認知度の向上」が有効な手段の一つであり、万博の取組みを閉幕後も体験できる「追体験」、さらには進化した取組みを体験できる「進体験」の機会創出が期待される。

■具体的には、自治体等には万博関連の技術展示会や商談会などの継続的な開催、デジタルを駆使した映像記録の集約・発信などによる、追体験の場の提供を期待する。同時に、企業等には、提供される追体験の場への積極的な参加と、万博期間の実証段階から進化・実装化した技術展示による「進体験」の提供を期待する。

【提言Ⅲ】大阪・関西が『いのち輝く未来社会』実現の先陣を切る

教育、コミュニティの継続、文化・芸術、運営、ホスピタリティ、林業・木の活用、エネルギー、サーキュラー、カーボンニュートラル、観光・MICE等、以下2つの提言につづく第3・第4の項目は多数存在する。本提言では現段階で期待する2項目を提言Ⅲ-①、②として示す。

【提言Ⅲ-①】大阪・関西が健康寿命延伸をリードするべく、意識変容・行動変容を

「体年齢」や「生物学的年齢」の浸透を図り、具体的な行動変容を

■「いのち輝く未来社会」の実現には様々なアプローチがあるが、万博開催地である大阪・関西が先陣を切るという観点では、万博のテーマに親和性が高く、大阪・関西の強みでもあるヘルスケアに着目し、「健康かつ長く生きる(健康寿命の延伸)」を目指すべきである。

■健康意識の向上といった「意識変容」は本万博のヘルスケアの取組を通じて少しずつ進んでいる。この「意識変容」を「行動変容」に繋げることが重要であり、まずは「体年齢」や、細胞レベルの加齢度を示す「生物学的年齢」を測定し自己の健康状態を認識することが求められる。また測定の場や機会が限定的、費用が高額などの課題を踏まえ、測定のハードルを下げる必要がある。例えば閉幕後に大阪・関西の複数箇所に設置が予定されている大阪ヘルスケアパビリオン「カラダ測定ポッド」の増設検討や同様の機械普及等を期待する。

■さらには、大阪ヘルスケアパビリオンのリボーン体験のように、健康状態の測定後すぐに、個々人に適した具体的な行動が示されることが望ましい。

【提言Ⅲ-②】より充実して過ごすために、時間を創出する自動運転の推進を

万博の取組みを一過性とせず、大阪・関西を自動運転の最先端都市に

■「健康かつ長く生きる」社会において生み出された個人の時間を、より充実したものにする手助けとして「省人化・自動化」の推進にも取り組むべきである。とりわけ、万博で日本最大級の実証実験が行われた「自動運転」はレガシーとして定着・発展させ、大阪・関西を自動運転の最先端都市になることを期待する。

■具体的には、国が実証実験の承認をより広範囲・大規模に行うことや、各自治体が将来のまちづくりの一環として、積極的に自地域における自動運転の実証実験を行うことなどを求めたい。

実装化の障壁を取り除き、諸外国と遜色のない外部環境の構築を

■自動運転の実装化における様々な障壁を排除し、自動運転が進んでいる諸外国と遜色のない外部環境構築(インフラ整備、規制緩和、補助金 等)も実装化を加速させるためには重要である。

【おわりに】

本提言では万博レガシーについて言及をしているが、目指しているものは「いのち輝く未来社会」であり、未来社会で暮らしているのは、今の子供や若者である。万博の様々な取組みについて、閉幕後も子供や若者が体験する機会を設け、将来に対しての希望を持ち、視座を高めることを望みたい。

以上

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万博のソフトレガシーにより大阪・関西を『いのち輝く未来社会』に ~追体験・進体験の街へ~