私達の取り組み
舞洲にて帯水層蓄熱システム(ATES)実証状況を視察
2025年9月18日
脱炭素社会・海洋プラごみ対策・GX推進

舞洲にて帯水層蓄熱システム(ATES)実証状況を視察

カーボンニュートラル委員会(委員長=梶村毅 日本政策投資銀行 常務執行役員関西支店長)は、9月18日、舞洲 帯水層蓄熱システム(ATES)視察を実施しました。大阪市 田中邦治氏と大阪公立大学 中尾正喜氏による講話の後、実証設備を見学し、活用の可能性について語り合いました。


■大阪市のカーボンニュートラルに向けた取り組み
大阪市 環境局 環境施策部 環境施策課 エネルギー政策担当 田中邦治氏

大阪市は2050年温室効果ガス排出量実質ゼロを目指し、省エネ徹底と再エネの最大限導入等を進めている。御堂筋エリアは脱炭素先行地域に選定され、建材一体型太陽光発電システム、エネルギー融通、バイオマス発電等により、持続可能なビジネスエリア構築に取り組む。
市内の再エネは太陽光と地中熱が中心。ATESは、汲み上げた地下水から熱エネルギーを採り出して、建物の冷暖房を効率的に行う技術だ。大阪市域では産学官連携により、うめきた2期区域で実証事業を行い、地盤沈下を引き起こさない地下水利用技術を確立した。国にビル用水法による地下水汲み上げ規制の緩和を提案し、規制緩和が実現。規制区域(うめきた2期地区)において全国初のATES導入となった。残る制度的課題の解消に向け、国にさらなる規制緩和を提案。制度改革に加え、様々な主体と連携し「ゼロカーボンおおさか」の実現を目指す。

■帯水層蓄熱の季節間蓄熱効果と再エネ貯蔵利用の魅力
大阪公立大学都市科学・防災研究センター 特任教授 中尾 正喜氏

帯水層蓄熱は、透水性の高い砂礫層(帯水層)とそこにある地下水を空調などの熱源として利用する技術だ。夏の温排熱を冬の暖房に、冬の冷排熱を夏の冷房に利用する季節間蓄熱システムである。揚水後、全量還水条件を確保するため、井戸近傍を除き地盤沈下リスクは回避できる。オランダで開発され、日本では導入事例は少なく小容量だったが、オランダより地層の複雑なわが国において、環境省の実証研究開発事業により大容量のシステムを実用化した。大阪のアミティ舞洲や三菱重工神戸造船所、うめきた2期地区で導入が進む。さらに、ATESによる余剰再エネ電力吸収システムの開発を進めた。これにより4,5月に発生する余剰再エネ電力を利用して低温で蓄冷しておき、夏の冷房に活かす機能を付加することができ、再エネ普及を後押しできる。帯水層蓄熱システム普及のために、さらなる揚水規制の緩和が期待される。