提言・アピール

「未来社会」の展望と日本経済が目指すべき姿
~日本の強みを活かしたイノベーションでワクワクする未来社会を実現~

2020.05.11update

一般社団法人関西経済同友会
経済政策委員会

 関西経済同友会 経済政策委員会(委員長=谷口宗哉 三菱UFJ銀行 代表取締役専務執行役員(西日本駐在))は、提言「『未来社会』の展望と日本経済が目指すべき姿~日本の強みを活かしたイノベーションでワクワクする未来社会を実現~」を取り纏めました。
1.問題意識
 平成の日本経済は、デフレ長期化、グローバル化・IT革命への対応の遅れ、新興国の追い上げ等により、国際的な地位が大きく低下した。令和時代の日本経済が人口減少のマイナスインパクトを打ち返して成長し、豊かさを維持するためには、企業、個人ともに縮み志向から脱し、明るく前向きなマインドを持って変革に挑戦することが何より重要である。当委員会では「ワクワクする未来社会」をキーワードに掲げ、①「イノベーションで社会課題解決と経済成長を両立している社会」、②「自律的にキャリアを形成して活き活きと働くことができ、人とAIが共存する社会」を日本経済が目指すべき姿として提示したい。
 目指すべき未来社会の実現に向けて、日本の強みである高い技術力、「安心・安全」「高品質」による国際的な信頼性、豊かな歴史・文化・観光資源等を活かしたイノベーションに挑戦するとともに、イノベーションの主体である人への投資を充実させるための制度改革が求められる。当委員会では、これら問題意識と課題を踏まえ、提言を以下のとおり取り纏めた。
2.提言
提言1:日本の強みを活かしたイノベーションに挑戦を
(1)社会課題解決によるイノベーション創出と規制改革の新たな枠組み作りを【政府・企業・個人】
①日本及び関西の強みである「ものづくり」「ライフサイエンス」と社会課題解決を組み合わせたイノベーション創出
~医療データ利活用による新たなビジネス創出等
②2025年大阪・関西万博を通じた新たな規制改革の枠組み作りとベンチャーエコシステムの深化
~民間から規制緩和のアイデアを募るPLL(People’s Living Lab)促進会議の仕組みの恒久化、国民の意識改革を通じた社会実装の促進
~万博を通じた産学連携及び海外プロモーション強化、技術力のある中小・ベンチャー企業の発掘・支援
(2)インバウンドを起点としたイノベーションと「内なる国際化」の推進を【政府・企業】
①文化・観光資源活用の最大化(インバウンド消費の再拡大、クリエイティブ産業の推進)、インバウンド×デジタル技術による地方創生(キャッシュレス、MaaS、データ活用による地方周遊促進等)
②インバウンドビジネスをツーリズムにとどまらず、海外から日本に需要を呼び込む全てのビジネスを一体として捉えて長期ビジョン・目標を設定(訪日観光客数、インバウンド消費、知財戦略、対内直接投資、高度人材受入を一体として促進)
提言2:増大する社会保障費を抑制し、人材教育への財源を確保する仕組みの構築を
(1)イノベーションの主体である「人」への投資を【政府・企業・個人】
①AI・デジタル時代に即した幼少期教育や学び直し・リカレント教育の充実、専門人材(データサイエンス等)育成に官民が注力するとともに、個人も自律的なキャリア形成へ意識改革
~国際比較で低水準にある政府の教育支出拡大(教育支出の対GDP比をOECD平均並みに)
~企業の教育訓練費拡大を促進する税制措置の拡充
②AI・デジタル化が進む中でこそ、日本人としてのアイデンティティを維持するための教育を充実
(2)イノベーションによる社会保障費削減と将来世代の視点に立った財政制度の見直しを【政府】
①AI・デジタル技術活用による医療・介護の効率化、健康寿命延伸による社会保障費の削減
②遅々として改革が進まないことへの対応として、政府から独立した第三者委員会(独立財政機関)を設置

以上

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「未来社会」の展望と日本経済が目指すべき姿 ~日本の強みを活かしたイノベーションでワクワクする未来社会を実現~