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提言・アピール

【提言】「子育て支援」を企業の成長戦略に ~Well-being 向上型戦略への大転換~ を発表しました

2021.05.10update


関西経済同友会 子育て問題委員会(委員長=小坂肇 りそな銀行 シニアアドバイザー、上田理恵子 マザーネット 代表取締役社長)は、【提言】「『子育て支援』を企業の成長戦略に ~Well-being 向上型戦略への大転換~」を取り纏め、5月10日に記者発表を行いました。

提言内容は、下記の通りです。

 

■はじめに

  • 「女性は家庭、男性は仕事」といった古い性別分業的な常識や、旧態依然の制度、体制が「子育てと仕事の両立」を阻み、これは少子化の原因の一つにもなっている。
  • 共働き世帯が6 割を超え、子育ての諸課題を個人だけが負担する「自助」が限界に達しているなか、子育てと仕事の両立を阻む要因の多くが企業に起因することから、企業こそが先陣を切って子育て問題の解決に取り組むべきである。
  • 同時に、社員が「well-being(善き生き方)」を達成し仕事に打ち込める環境を整備することは、生産性や創造性の向上に寄与することから、企業は子育て支援を福利厚生ではなく、重要な成長戦略として捉えるべきである。
  • このような認識のもと、本委員会では、有識者ヒアリングおよび会員企業社員・管理経営者へのアンケート(調査結果詳細は別冊に取り纏めた)をもとに導いた子育てと仕事の両立を阻む「要因」と「解決への糸口」から、「企業・経営者」「国」が取り組むべき方向性と具体的な施策を以下の通り提言する。


【企業・経営者への提言】子育て支援を成長戦略として実践を

方向性1:子育て支援を経営に直結する社会課題として捉え、中長期経営計画に盛り込むなど成長戦略として実践を
方向性2:経営者のリーダーシップの下、イクボス育成や職場環境整備・風土醸成を

提言① 男性育休義務化(1ヶ月以上の実質的な取得)
男性の家庭活躍(育児・家事参画)の推進は、共働きでも女性に偏重している育児・家事負担の是正に不可欠。
企業にとっても、ダイバーシティ化、働き手のwell-being 向上はイノベーション創出につながるため、対外的な開示目的の表面的対応ではなく、自社のために有意義な取組みであることを理解した上で、これを実行すべきである。
提言② 多様性を評価する人事制度の導入
子育てと仕事を両立する働き方に合わせ、評価の在り方もインプットの総量や付き合いではなく「時間当たりの生産性」の基準に変わるべき。また、PTA などの「対外活動への積極的な参画」を評価する多様性も重要。
提言③ 育児関連費用の企業負担(テレワーク中も補助)
共働き世帯からは「緊急時(子どもの病気、出張など)に頼れる人やサービスがない」ことへの悩みの声が非常に多い。多様で有能な人材の確保には、このような事象に企業として手を差し伸べる制度・姿勢が必要。
提言④ 単身赴任等への柔軟な対応
単身赴任等は子育てと仕事の両立の大きな阻害要因の一つ。コロナ禍で浸透したテレワークを活用し「テレワーク+出張」で単身赴任を回避するなど、社員の個別事情を十分に考慮した柔軟な対応も検討すべき。
提言⑤ コロナ後のテレワークの定着
テレワークで通勤時間がなくなり、その時間に家事・育児ができることは子育てと仕事の両立を大きく後押しする。また、浮いた時間を自己研鑽に充てることも可能であり、働き手の経験の幅を広げることにもつながる。


【国への提言】意識啓発ではなく具体的な制度を
方向性1:国は企業の子育て支援策の後押しに取組み、well-being 向上の実現へ
提言① 育児費用税額控除制度の導入など、家計の負担軽減を
子育て支援サービスに対してさらに税額控除制度見直しによる家計の負担軽減を期待する。
提言② ベビーシッター補助制度の利用促進を
コロナ禍などで集団保育ができない事態も想定し、国としてベビーシッター利用補助の拡充と助成分の非課税化を幅広く周知徹底し、利用を促すべき。また、圧倒的に不足するシッターの育成にも取り組みを求める。
提言③ 待機児童ゼロの早期実現を
国が果たすべき人への投資として、社会的投資政策の観点から、待機児童問題を解消するための「保育施設の拡充」と「保育人材の確保」をさらに進めていただきたい。
提言④ 男性育休の企業への取得率開示やインセンティブ導入で取得率向上を(政府目標2025 年30%の確実な達成を)
2023 年4月はじまる従業員の育休取得状況公表の義務化と合わせ、「両立支援等助成金」など企業へのインセンティブ面も十分に発信することで、男性育休取得率30%の確実な達成を目指すべき。

■総 括
育休を取得するのは一人だがその一人がもたらす効果には未知数の可能性、価値がある。男性の育児・家事参画や女性活躍に課題の多い大阪・関西において、本人・家族・企業・社会の「四方よし」といえる本取組を推進することは、関西の経済の活性化、そして日本経済・社会の持続的成長につながる。