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提言・アピール

新型コロナウイルス感染症拡大の影響下、文化活動の灯を絶やさない迅速な施策を

2020.04.16update

一般社団法人 関西経済同友会 文化の力委員会 委員長  浮舟 邦彦
委員長  坂上 和典
公益財団法人 関西・大阪21世紀協会 理事長  堀井 良殷

新型コロナウイルス感染症拡大により世界経済が大打撃を受けるなか、文化芸術セクターでは各種イベントが中止・延期、会場が休館を余儀なくされ、深刻な影響が生じている。国の自粛要請に応じたことにより、得られるべき興行収入が得られず、キャッシュフローが大きく減退している。場合によってはキャンセル料やチケット払い戻しのコスト発生など追加負担も生じている。

文化芸術は、イノベーションを推進し経済を牽引する役割を担うものとして重要性が増している。まちづくり、 教育、医療・福祉、ダイバーシティ、社会的包摂、外交など、文化芸術の力を必要とする分野は多い。また、文化芸術には、傷ついた人の心を癒し、社会に潤いをもたらす力がある。
“令和”に込められた「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」意味を、今こそ銘肝すべきである。

この点、先般の緊急経済対策において、フリーランスへの休業補償や事業者向けの緊急貸付・保証枠の拡充、小口融資の拡大等の対策をかつてない規模で打ち出し、その中で文化芸術セクターに配慮した政策をとくに盛り込んだことは評価できるが、なお一層の支援強化策を講ずるべきである。

特に文化芸術セクターは、①フリーランス(演奏家、アーティストなど)や団体は他の分野への転換が困難で、 一度立ち行かなくなると廃業しか道がない、②ビジネスや事務に精通していない人が多く、申請書作成などに慣れていない、③練習の蓄積と才能を要するため他の分野からの代替は容易ではない、といった特徴がある。それだけに、通常の事業者よりもきめ細かく目配りし、手厚く支援することが不可欠である。

すでに文化庁を通じて文化芸術関係者向け支援制度の説明が平易になされるなど情報提供は進んでいるものの、支援される側では自助努力や創意工夫を行う上での具体課題も浮かび上がっている。上記事情も勘案し、運用面においても、より簡便でスピーディな対応がなされることを期待する。

また、支援条件(前年度売上高が黒字であるなどの融資条件や令和2年度補正予算の成立まで支援がなされないなど)については、状況に応じ柔軟な見直しを行うべきである。さらに、政府・民間の出資・寄付による「芸術文化振興基金」の活用、あるいは新たにサポートする基金の立ち上げなど、一層の原資の確保に向けてあらゆる手段をとるべきであり、その推進を強く願う。

非常時における文化芸術セクターへの政府支援に関しては、ドイツをはじめ諸先進国が大規模な緊急策を打ち出しており、文化芸術立国を謳うわが国においても文化芸術の灯を絶やさぬよう内容やスピードにおいて見劣りしない政策を打ち出して頂きたい。

以上

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新型コロナウイルス感染症拡大の影響下 文化活動の灯を絶やさない迅速な施策を