提言・アピール

うめきた 2 期の公園はできるだけ大規模に

2014.12.12update

2014 年 12 月 12 日
一般社団法人 関西経済同友会

うめきた・みどり推進委員会

大阪市長 殿 大阪市会議員 殿
大阪府知事 殿 大阪府議会議員 殿

政府の大阪駅周辺・中之島・御堂筋周辺地域都市再生緊急整備協議会(会長:内閣総理大臣)・大阪駅周辺地域部会(部会長:橋下徹・大阪市長=以下、地域部会)のもとに設置された「うめきた2期区域まちづくり検討会(以下、検討会)」が11月19日、うめきた2期の「まちづくりの方針(案)」を決定しました。それによると、「みどり」の広さは地区全体で概ね8ヘクタールで、うち概ね4ヘクタールを地上のまとまった「みどり」として大阪市と大阪府が整備し、残りの概ね4ヘクタールは民間が整備する建築物と一体となった「みどり」となっています。12月18日に開催される予定の地域部会でこの案を審議し、その後、来年3月末には公園の位置や規模を決定する予定とされています。

当会は「うめきた2期」にすばらしい「みどりと水の空間」をつくりたいと願い、長年提言活動を続け、「都心の駅前の一等地にあるうめきたの公園は、未来への投資であり、災害時は命を守る拠点でもある。それゆえこの公園は、圧倒的な規模の確保と質の高さが不可欠である」と主張してきました。また先般は橋下市長のご依頼に応えて、うめきた2期におけるみどりのあり方について、国内有数の造園家、ランドスケープアーキテクトによる「みどりの専門部会報告」を取りまとめ、地域部会や検討会で意見表明をしました。そこでは、うめきた2期には「大地に根差した“ほんまもんのみどり”をつくるべき」と提案しました。梅田という超人工的な都心にあるからこそほんものの自然がインパクトを持つのであり、中途半端に建物と緑地を同居させる折衷案では世界にアピールする力は欠けるので、出来る限り大部分を「本物の緑地」とすべきであるとし、その面積については「可能な限り広く」と表現しています。

民間のつくる建物と一体化したみどりは、民間に用地費や整備費の過度な負担を強いるだけでなく、建築物の更新時には消滅する恐れがあること、また、建築物と一体化するため、みどりの空間は高低差の多いバリアブルなものとなる恐れがあるなど、永続的で“よい「みどり」”をつくることが難しいと考えます。

このため、私たちは大阪市と大阪府ができるだけ広い土地を確保して公園として整備し、民間に過度な負担をかけない方が、“よい「みどり」”を創ることにつながると考えます。その観点からいえば、大阪市と大阪府による土地取得が概ね4ヘクタールとなっておりますが、もう一段の努力で、「本物の緑地」、すなわち公園として整備される部分が大きくなるよう要望します。

世界の都市はいまや、“緑地”創造を競っていることはご承知の通りです。世界都市は何処もみな、資金調達や利害調整に苦心しながらも都心に大胆にみどりを生み出しています。大阪にそれができないことはありません。またできなければ、それは都市間競争からの脱落となります。

緑地は社会の共通資本であり、将来世代に受け継ぐ大きな資産です。しかも世界の都市間競争の中で埋もれてしまわない「規模と質を備えたみどり」を大胆に創り出さなければなりません。

大阪の玄関口である「うめきた2期区域」に「ぶっとんだみどり」を整備することは、大阪の都市格をあげ、大阪を世界都市として認めさせる、最大で最後のチャンスといえるでしょう。後世の人々から「昭和の御堂筋、平成のうめきた公園」と並び称される永続性のある魅力的なみどりを創りだすには、50年、100年の長期的な視点が必要です。

うめきたの公園の規模を決定するのはまさに世界都市大阪、関西の命運をかけた決断です。大阪市長・市会議員、大阪府知事・府議会議員各位におかれては壮大な志と強力なリーダーシップを発揮して、可能な限り大規模な公園としていただくよう強く望みます。

以上