よりよき日本型経営システムを目指して
-ハイブリットグローバルスタンダードの形成-
関西経済同友会 企業改革委員会(委員長=土橋芳邦 クボタ 専務)は、提言「よりよき日本型経営システムを目指して - ハイブリット型グローバル・スタンダードの形成一」を取り纏めました。
問題意識
日本の経営システムはきわめてローカルで、それに固執することは世界経済から立ち遅れることであり、早急にグローバル・スタンダードヘ追随すべきだという論調が、昨今、目立ちはじめている。年功序列賃金制度からの脱却、労働力流動化の促進とアウトソーシングの積極的活用、閉鎖的系列取引の解消などが論議されているが、営々と構築してきた経営システムから不適切な部分を切り取り、そこに新たな要素を付け加えるだけで果たして機能するのだろうか。システムの構成要素は複雑に関連しあっており、再構築にあたっては、このような複雑な関係を十分に認識する必要がある。
当委員会は、グローバル・スタンダードと日本のこれまでの経営システムとの関係を分析し、日本企業が経営改革に取り組む際の要点を析出することを目的として検討を行い、本提言書を作成した。
提言要旨
1.グローバル・スタンダードという用語は、多様な意味で捉えられており、そのことが論議の混乱を招いている。まず、グローバル・スタンダードとは何かについて検討を加えた。
2.日本の経営システムをグローバル・スタンダードに照らして考えたとき、3つの対応策があることを明らかにした。
① 日本の経営システムの優れた部分については、積極的に情報発信・啓蒙活動を行い、それをグローバル・スタンダードとして確立すること。
② 多くの問題を含む部分については、既に存在するグローバル・スタンダードへのキャッチアップを行うこと。その上で、より優れたグローバル・スタンダード構築の担い手となること。
③ 年功序列賃金や日本的商慣行など功罪相半ばするものについては、まず改革に着手し、そのプロセスの中であるべき姿を模索すること。
3.あらゆるシステムには、順機能と逆機能があり、順機能としてのメリットだけを享受することはできない。経営改革を行うにあたっては、順機能をできるだけ引き出しながら、逆機能をマネジメントするという視点が必要である。



1998年4月 企業改革委員会