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【報告書】グローバル・ベンチャーエコシステム委員会 2020 年度 活動報告書

2021.04.30update

一般社団法人関西経済同友会
グローバル・ベンチャーエコシステム委員会

関西経済同友会 グローバル・ベンチャーエコシステム委員会(委員長=角元敬治 三井住友銀行 代表取締役副頭取執行役員)では、この度、2020年度の活動を報告書として取り纏めました。2020年度の当委員会での活動、ならびにコロナ禍が関西のエコシステムにもたらした影響や最近の動向、更に今後の取組方針などを掲載しております。


【2020年度の当委員会の活動について】
コロナ禍が、社会・経済のあらゆる側面で、我々に不可逆的な変化を迫るなか、エコシステムの「実装」が重要と認識し、「関西ベンチャーフレンドリー宣言(68社・団体に拡大)※」を活用したイベントやリバースピッチ等を行いました。
また、「①既存企業とベンチャー企業の連携促進」「②大学との連携、産学連携の促進」「③京阪神をはじめとした地域間連携」「④対外発信力の強化、グローバルネットワークの活用」を進めるべく、神戸大学や国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、神戸市、国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)、シリコンバレーの識者による講演会等を開催しました。(※2021/4/30現在)

【コロナ禍がエコシステムにもたらした影響、最近の動向 等】
ベンチャー企業
関西にはベンチャー企業経営者が、難局を乗り越えようと一致団結できる環境・コミュニティが既に形成。コロナ禍をチャンスと捉えて事業を展開しているベンチャーが目立った。また、関西ベンチャー企業経営者の有志による「Kansai Future Summit」等により、京阪神ネットワークの構築・強化も進んでいる。

既存企業
コロナ禍でイノベーション活動や投資活動を減少させる企業がある一方、従前からイノベーション創出に積極的に取り組んできた企業ほど、コロナ禍でその動きを加速させていることが明らかとなった。

行政・支援機関
内閣府「スタートアップ・エコシステム拠点都市」の選定を契機に支援体制が強化。また神戸市などでは、地域課題・社会課題の解決に向けた、行政とベンチャー企業の連携も進んでいる。

大学・研究機関
京都大学と大阪大学は、2021年1月に新たな投資ファンドを設立。また神戸大学は、「科学技術イノベーション研究科」を中心にバイオベンチャー創出に向けた活動を世界に向けて行っている。

海外プレーヤー
コロナ禍でも、「Plug and Play」や国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)がアジア初となる拠点を開設。また、グローバルなネットワークの構築が進むけいはんなでも、海外との連携・交流が活発に行われている。

資金調達
資金調達額全体の減少幅は小さいものの、一部では「シード・アーリー期のベンチャーへの支援が手薄になっている」との指摘もみられる。投資家やVCが資金調達にかかる面談をオンラインで実施するケースも増加するなか、関西のエコシステムに関する情報発信がますます重要となっている。

人材
ベンチャー企業のさらなる成長やイノベーション創出には、社会全体の労働力の流動性を高めることも大切。自律的なキャリア形成の重要性が一段と高まるなか、「ローリスクでチャレンジできる仕掛け」として、副業や兼業、出向、社内起業などの挑戦を促す環境整備が重要である。

機会・実証の場
オンライン化による「雑談」の機会が消失。また、屋外での実証実験が難しくなり、仮説×検証のサイクルの停滞などが発生。今後は、規制緩和や煩雑な手続きの見直しを求めていくとともに、未来の技術の実装が進むエリアとして関西をブランディングし、強力に世界に発信していくことが重要である。

【当委員会の今後の取組方針】
① 産学連携の促進(既存企業と大学発ベンチャー等との接点創出、大学との積極的な対話)
② 国内外のネットワークを活用した対外発信力の強化、海外とのネットワーク強化
③ 既存企業とベンチャー企業の連携促進(コミュニティの強化、リバースピッチ等によるオープンイノベーションの加速)

以上

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