• Home
  • 提言・アピール等
  • 医療保険制度改革に関する緊急提言 ‐ 国民的議論を通じ、医療保険制度改革の早期実現を
提言・アピール等

医療保険制度改革に関する緊急提言
-国民的議論を通じ、医療保険制度改革の早期実現を-

1999.11.01update

1999年11月 社会保障委員会

関西経済同友会 社会保障委員会(委員長=今井宏邦 日本生命保険 専務)は、「―医療保険制度改革に関する緊急提言― 国民的議論を通じ、医療保険制度改革の早期実現を」を取り纏めました。

提言要旨

我が国の医療保険制度は「国民皆保険」等に代表される高い平等性と一律性を持ち、広く国民に支持されてきた。しかし、少子高齢化や経済成長の低迷など社会経済環境の激変により、その制度設計の前提は大きく揺らいでいる。特に老人医療費を中心とした国民医療費の膨張は止まらず、各医療保険制度の財政は危機的状況にある。このままでは現在30兆円の国民医療費が2025年に100兆円を突破すると予測される一方、確固たる財源のメドは立っていない。
政府は抜本的改革に向けた検討を重ねてきたが、利害関係者の調整が難航し、改革論議は事実上頓挫しているのが現状である。医療保険制度は国民一人ひとりの身近な問題であり、医療関係者任せにせず、国民自身が当事者意識を持って積極的に議論に参画すべきである。関係各層も個別利害を超え、痛みを分かち合う姿勢が不可欠である。
来る21世紀において、国民が安心して暮らせる「健康で活力ある中高年社会」を実現し、持続可能で信頼性の高い制度を次世代へ引き継ぐことは現役世代の責務である。本提言は、国民的議論を喚起し、一刻も早く医療保険制度改革の道筋をつけることを目的として取りまとめた。

提言1【医療費増嵩の要因となっている高齢者医療制度の枠組みについて】
給付と負担の明確化、現役世代の納得感、地域別医療費格差の是正等の観点から「地域別突き抜け方式」による新たな高齢者医療制度を創設する。
―地域別に再編成した政府管掌健康保険を被用者OBの受け皿に―

提言2【高齢者の自己負担のあり方について】
コスト意識を向上させ、給付と負担の関係を明確に認識させる観点から定率2割の自己負担を導入する。

提言3【保険者の機能強化について】
保険者の合併等を推進することにより、財政基盤の安定化、企画立案・調査能力の向上を図る。

提言4【患者の立場に立った医療サービス情報の開示について】
患者・保険者と医療機関との情報量格差を是正する観点から、広告規制の緩和、医療機関版格付機関の設立、カルテ・レセプトの標準化・電子化等を推進する。

提言5【診療報酬体系について】
医療供給側に経営努力や医療専門技術の向上へのインセンティブを与える観点から出来高払い中心の体系からDRG・PPSを軸とした体系への早期移行を図る。

提言6【薬価基準について】
「同効能=同薬価」の観点から、薬価の算定方式を抜本的に見直す。

おわりに
以上、当面最優先で取り組むべき改革として6点を提言した。引き続き、これら以外の「急性期と慢性期の医療機関・病床の機能分化」や「医薬分業の推進」、「医療機関の資金調達の多様化」等の課題についても、より国民経済的な見地から主体的に問題提起し、議論に参画していく所存である。