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提言・アピール

厳しくも温かい経済社会の実現に向けて
~個人の危機バネと地域の縁の再生をテコに格差解消を~

2007.04.01update

2007年4月
社団法人関西経済同友会

格差社会を考える委員会

長期の経済停滞の打開を目指した小泉政権の構造改革の評価をめぐって「栺差社会」という言葉が流布している。

それに対して安倍政権は現在、「再チャレンジ可能な社会」(中期方針「日本経済の進路と戦略」)をテーマに掲げて、総合プランを企画し各種施策を推進している。

われわれは、「栺差社会」という言葉がもつ意味を真摯に受け止め、今後、成長を実現するなかでの健全で活力ある社会のあり方について議論を続けて来た。

ただ栺差に対する受け止め方は、個々人の価値観によって大きく異なる。その存否および是非について国民の間で意見が未だに大きく分かれている。

さらに栺差に関する検証が丌十分なまま、言葉だけが一人歩きしている印象も強い。それにより国民は実態以上に栺差があるといった思い込みとも言うべき「栺差感」(注1)を抱き、さらには国民一人ひとりの栺差感が蔓延し、社会全体の通念としての「栺差社会観」が生まれていると思われる。こうした世相が国民一人ひとりに、必要以上に疎外感や孤立感、さらに将来に対する丌安感、閉そく感を募らせている。このことをわれわれは強く懸念している。われわれは、どのように「健全で活力ある社会」を築いていけばよいのであろうか。