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提言・アピール

定住外国人の受け入れ促進で、日本の再活性化を
~いま求められる外国人庁の設置~

2013.05.08update

平成25年(2013年)5月
一般社団法人 関西経済同友会

移民政策委員会

将来、日本は人口減少に伴い国力の維持と向上が難しいと懸念されている。2060年の総人口は、2010年に比べ約4,000万人の人口減少が予想されている。生産年齢人口は、女性・高齢者・若者全員を活用したとしても減少する。同時に消費活動を行う人口も減少する。

その一方で、日本での定住を前提とした外国人労働者およびその家族(以後、「定住外国人」と記す)は増加傾向にある。我が国は、定住外国人によって支えられている面もあると言える。定住外国人の受入れは、人口補填に資するのみならず、企業のグローバル化に応じた人材需要に対する供給源になり得る。さらに、「ダイバーシティ(多様性)」の観点から、日本に新たな活力を生み、日本人の視野を広げ、グローバル市場での日本企業の人材確保やイノベーションの促進、競争力の強化に資すると考えられる。

しかし、日本は、観光客、留学生をはじめ、外国人を受入れているものの、法律・行政のあり方、企業の意識、地域の理解という点から、日本での明確な就労意志と能力がある外国人労働者にとって住みやすく、働きやすい環境とは、必ずしも言えない。外国人労働者と定住外国人を、我が国の経済・生産を支える構成員として受入れるための環境整備こそ、今考えなければならない課題である。

また、人口減少への対応策として、過去にも複数の経済団体から外国人の受入れによる労働力確保とグローバル化への対応の必要性が提言されているが、これらを受けての国民的議論、それを踏まえた抜本的な対応がなされないまま現在に至っている。

本委員会では、このような問題意識のもと、過去の経済団体の提言等を踏まえつつ、定住外国人と我が国の外国人受入れ体制の実状を検討した。移民、すなわち定住外国人の受入れに対して、賛成、反対それぞれの観点による講演等から議論を深め、企業と地方自治体やNPO団体等へのヒアリング、現地視察を通じ、問題点を浮き彫りにした。

これらの調査研究成果に基づき、外国人が高いモチベーションで働き、安心して暮らし続けることができ、そのことがわが国の人口の増加、活性化へとつながってくる、外国人労働者の定住支援政策・促進政策を提言する。

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