提言・アピール

第8回沖縄・関西交流セミナー

2009.12.07update

平成21年12月7日
沖縄経済同友会
関西経済同友会

沖縄経済同友会および関西経済同友会は第8回「沖縄・関西交流セミナー」を開催し、「アジア地域の安定と発展に向けた日本の役割~普天間基地の移設問題に揺れる現地沖縄より~」をテーマに、日本の安全保障問題を中心に活発な議論を交わした結果、以下のとおり合意しアピールする。

  1. 鳩山政権は、普天間基地移設の一刻も早い実現に向け、米国政府および地元沖縄との協議を急ぎ、早急に結論を出すべきである。
    • 市街地に存在する普天間基地は、地元住民にとって極めて危険な施設である。鳩山政権は、普天間問題に関し、未だ結論を出していないが、これを徒に先送りすることは、危険を放置することに他ならず、看過できない。先送りは、地元沖縄に予想を超えた過度の負担を強いることになることを肝に銘じ、地元沖縄の意向も踏まえ、早急に政治決断をすべきである。
    • なお、普天間問題は今や日米関係における最大の課題となっている。万一、これ以上日本の決断が先送りされるような事態になれば、日米関係は冷え込み、東アジア地域の平和と安定の礎である日米同盟が大きく揺らぐ、と日本政府は危機感を持つべきである。

  2. 沖縄の負担軽減は「量」だけではなく「質」の面でも進めなければならない。日本政府には、引き続き日米地位協定の抜本的見直しを米国政府に要求し、実現を図るべきである。
    • これまでも、再三日米地位協定について、環境条項の挿入、拘禁中の被疑者身柄早期引渡し、被害者への補償等の見直し要請をしているにも関わらず、進展していないことに対して遺憾に思う。
    • 沖縄県民の不信感は、在日米軍専用施設の75%が沖縄に存在することや運用改善のみの対応では限界にきた日米地位協定が、戦後64年を経た今なおまかり通っていることにある。日本政府は、これらのことも理解し、我が国全体の問題として日米地位協定の抜本的見直しに取り組むべきである。

  3. 鳩山政権は、北朝鮮の核・ミサイル問題、テロとの戦いといった国際情勢の「現実」を踏まえ、国家と国民の安全と繁栄をいかに確保していくのかという基本視点に立って、政策を立案し、遂行すべきである。
    • 今、日本が立ち向かうべき脅威は、北朝鮮の核・ミサイル問題であり、テロとの戦いである。この「現実」を踏まえ、国家と国民の安全と繁栄をいかに確保していくのかが最重要課題であり、外交・安全保障政策は国益に沿ったものでなければならない。ただし、安全保障政策は国民全体の安全保障が基本であり、一部の地域の危険・過重負担は見直すべきである。
    • 鳩山政権は、これまで積上げてきた国際社会における信頼を土台に、外交・安全保障の目的をいかに達成していくのか、という視点から政策を立案し、遂行すべきである。