提言・アピール

経営者は「魅力ある企業」に向けた行動・仕組みづくりを
~「人」を活かす経営による革新と成長を目指して~

2020.04.06update

一般社団法人関西経済同友会
企業経営委員会

 関西経済同友会 企業経営委員会(委員長=清水博 (株)日本政策投資銀行 常務執行役員 関西支店長)は、提言「経営者は『魅力ある企業』に向けた行動・仕組みづくりを~『人』を活かす経営による革新と成長を目指して~」を取りまとめました。

1.問題意識
 企業をとりまく外部環境は「ヒト」「モノ」「カネ」すべてにおいて劇的に変化している。そのなかでも企業が持続的に成長するためには、従来重視されてきた「計数管理に基づく合理的経営」を前提としつつも、「訴求力ある商品・サービスを継続的に生む仕組みを有する経営」や「企業理念・哲学と実践が一致するストーリー性ある経営」によって「新たな価値」を創出すること、従業員のモチベーションや企業文化なども意識した「環境・プロセス」を整備することが必要である。
 この課題について、調査・研究を行い、新たな価値創造モデルの抽出を試みた。

2.提言
 事例研究などから、新たな価値を創造している企業は、外部環境の変化を踏まえ、企業内外のリソースを最大限活用すべく社員をはじめとする各ステークホルダーとの「対話」を重視していること、社内外での対話によって組織の創造性・求心力を高め、新たな価値を生産・拡大し、従業員・投資家・顧客などから「魅力ある企業」として評価されていることがわかった。

 外部環境の変化に対しては、経営者が過去の成功体験にとらわれることなく、自社の何を守り、何を革新すべきかを自ら判断することが不可欠である。そのうえで、如何なる環境・業態においても、大きなポテンシャルを秘めた「人」を活かすことが最大のポイントであるとして、次のとおり提言する。

✓ 「人」を活かす経営により、各ステークホルダーに強い訴求力を有する自社ならではの企業価値の構築を
✓ 仕事のやりがい(エンゲージメント、自分事化)と企業の成長の「同期化」の仕組みづくりを
✓ 関西地域が有する魅力、リソース、ポテンシャルについても、戦略的経営資源として取り込みを

<「魅力ある企業」となるためのポイント>
① 経営者は企業の真にありたい姿の再確認を
② 現場に直結し地に足が着いた「企業理念」と「独自企業価値」の確立・浸透を
③ 経営サイドと現場レベルの密な対話によるイノベーション指向の共有を
④ 仕事の「自分事化」、自発的成長を後押しする機会を
⑤ 多様な人材を尊重し、健全な「挑戦」と「失敗」を評価する文化を
⑥ 自社内にとどまらず他社・地域を巻き込んでの課題発見、イノベーション創出を

以上

提言・アピール

経営者は「魅力ある企業」に向けた行動・仕組みづくりを ~「人」を活かす経営による革新と成長を目指して~