緊急アピール「中堅・中小企業の持続的成長に向けて、円滑な事業承継を支える税制を求む」
関西経済同友会 中堅企業委員会(委員長=佐藤潤 昭和丸筒 代表取締役会長兼社長)は、緊急アピール「中堅・中小企業の持続的成⻑に向けて、円滑な事業承継を支える税制を求む」を取りまとめました。
緊急アピール:中堅・中小企業の持続的成長に向けて、円滑な事業承継を支える税制を求む
中堅・中小企業は、長年にわたり培った技術・技能を継承し、地域の雇用とわが国の産業基盤を支える重要な存在である。これらの企業が世代を超えて事業を継続し、新たな成長に挑戦できる環境を整えることはわが国経済の持続的発展に不可欠であり、政府もその支援を重点方針に掲げている。
現在、国税庁において非上場株式の評価方式に関する抜本的見直しの検討が進められている。中堅・中小企業の多くは非上場企業であり、仮に純資産や収益力をより重視する新たな評価方法が導入されれば、長年にわたり健全な経営を続け、内部留保を蓄積してきた優良企業ほど株式評価額が大幅に上昇し、事業承継に伴う税負担が著しく増大することが懸念される。
そもそも非上場企業の株式は、上場株式のように容易に換金できるものではない。事業を引き継ぐ後継者の中には、相続税・贈与税の納税資金を確保するために多額の借入れを余儀なくされ、その返済に長年追われてしまう例も多くある。こうした深刻な実情が、事業承継を益々困難なものにしている。
一方、後継者の負担軽減を図るための事業承継税制も、あくまで納税の繰り延べに過ぎず、適用要件や手続上の制約が多いために活用しやすい制度とは言い難い。さらに、経営の自由度が比較的高い現行の特例措置も来年までの時限措置にとどまっている。そのため、実際に適用可能な企業はごく僅かに限られると想定され、長期計画に基づいて承継を進める企業には対応しきれていない。
中堅・中小企業はいま、長引く物価高や深刻な人手不足といった課題に直面している。厳しい経営環境を乗り越えて持続的な成長を果たすためには、賃上げだけでなく、人材育成やDX をはじめとする未来を見据えた積極投資が欠かせない。そしてこうした取り組みを推進し、中堅・中小企業が安心して長期的な視点に立った経営を行うためには、円滑な事業承継を可能にする税制整備が不可欠である。
政府に対し、非上場株式の評価制度について、企業の実態と事業の継続性を踏まえた適正な仕組みとすることを求める。同時に、事業承継税制における現行の特例措置の恒久化や、それに代わる抜本的な事業承継支援制度等の創設などによって、後継者が過大な税負担に苦しむことなく、安心して経営を引き継げる制度の実現を強く要望する。
以上



一般社団法人関西経済同友会
中堅企業委員会