提言・アピール

観光立圏・関西の実現に向けて
~観光立国・日本を牽引する関西~

2010.04.06update

2010年4月6日

関西の歴史・文化と観光を考える委員会 観光分科会

政府がビジット・ジャパン・キャンペーンを始めてから7年目を迎えている。この間、訪日観光客は右肩上がりで増え、「2010年に1000万人」という当初の目標は達成するものと思われていた。その矢先、全世界を経済危機が襲い、観光客は急激に減尐、目標達成は困難な状況へと一転した。

一時的に市場が縮小したものの、世界では観光を主要産業と位置づける国々が総力をあげて観光振興に取り組んでおり、観光客誘致のグローバル競争は今後、ますます激しさを増すことが予想される。そのような中、新政権は「観光」を成長戦略の1つに位置づけるとともに、「2019年までに2500万人」を目指す新たな検討を開始した。

関西に目を向けると、豊富な観光資源、5つの世界遺産、あるいは個性豊かな都市の集積など、世界でも類を見ない特徴を有している。にもかかわらず、同様のポテンシャルを有する海外の国や地域と比べて外国人旅行者受入数は十分と言えず、地域の持つ潜在力を発揮できているとは言い難い状況にある。

今後、「観光都市圏・関西」として更なる発展を遂げるために、こうした“ギャップ”を引き起こしている原因を突き止め、潜在力を最大限に活かす取り組みを強化する必要がある。本提言では、これまでの観光振興に関する様〄な議論や国内外の競合都市の動向を踏まえつつ、関西のインバウンド拡大に向けて取り組むべきことをまとめた。