関西経済同友会とは

前年度事業報告

令和3年5月11日
通常総会報告

令和 2 年度事業報告 一

一般社団法人 関西経済同友会

令和2年度は、「未来社会の課題発見と新たな挑戦~ベンチャー精神で課題解決を目指す~」をテーマに、「関西の持続的発展」とそれを維持するために「解決すべき政策課題」を重点課題と位置付けた。前者では、経済ドライバー・都市魅力・幸福と暮らしやすさの3分野に、後者では、成長戦略・社会保障・教育問題・安全保障・地方分権の分野を中心に取り組むこととした。そして、「Think Globally, Act Locally」「Diversity&Inclusion」を活動指針に時代を一歩先取りした提言とその実現に取り組んだ。

【役員会等の運営状況】

本会は、一般社団法人として一般社団・財団法人法及び、定款、規程・規則などに基づく運営を行った。

令和2年5月12日に通常総会を開催し、令和元年度決算を承認、令和2年度理事・会計幹事監事・常任幹事・幹事を選任するとともに、理事会に推薦する代表理事・業務執行理事候補者を選出した。また、幹事会での審議を経て、理事会で承認された令和元年度事業報告、令和2年度事業計画書及び収支予算書などについても報告がなされた。

理事会は、4回開催した。令和元年度事業報告、通常総会に付議する令和元年度決算案の承認、代表理事・業務執行理事の選定、補充する幹事の選任、令和3年度事業計画書及び収支予算書の承認など、一般社団・財団法人法や定款などで定める項目を審議するとともに、職務執行状況の報告を行った。

本会の運営全般について意思決定を行う幹事会は、8月を除く毎月1回開催し、提言案などの審議、海外との意見交換や主要イベントの報告、月次収支報告などを行った(但し、46月は書面表決。加えて、新型コロナウイルス感染症対策やポスト安倍政権の行方、米国バイデン新政権と日米関係などについて講演を聞いたほか、本会として取り組むべき課題等についても議論した。

常任幹事会も、8月を除き月1回3月のみ2回)開催し、幹事会の議案の事前協議を中心に討議を行った。年度途中の12月には、代表幹事・常任幹事で意見交換合宿を行い、我々を取り巻く環境や直面する課題、次年度事業計画に取り上げるべき課題について議論、令和3年度事業計画書を共同で練り上げた。

感染症拡大抑制の観点から通常総会パーティ、歴代代表幹事との懇親懇談会、放談会の開催は見送ったが、デジタル放談会、会員交流会、新入会員との懇談会、女性会員と語る会、スタッフ交流会などを開催し、会員・スタッフの交流、親睦を図ることにも努めた。

【委員会等の活動(1):同友会全体としての活動や課題に取り組む組織の活動】

① 総合政策審議会

発信力強化、提言などの実現性・実効性の向上などに向け、政治家との意見交換を行う予定であったったが、感染症拡大抑制のため中止したが、感染症拡大抑制のため中止した。

② 調査企画部会

諮問なし。

③ 経済同友会連携会議

西日本を中心に、京都、神戸、中部など他の経済同友会と連携し、以下の会合などを開催した。
・京阪神経済同友会代表幹事懇談会(11月2日 於:大阪市)
・第59回関西財界セミナー(2月4日 オンライン開催)
関西経済連合会と共催し、200名を超える関西の経営者を含む、約500名がオンライン上に集い開催した。新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るうなか、「危機を乗り越えて創る未来~関西の底力を発揮するとき~」をメインテーマに、コロナ共存下での国際社会と経済政策、日本の創造的復興 Green/Digital Recovery、これからの国と地方のあり方、ニューノーマルにおける働き方の質の変革、With/Afterコロナ時代の集客・誘客戦略、コロナ禍後の未来社会の創造、の6つの分科会に分かれ討議し、最後に主催者声明をまとめ、発表した。
・2020年度全国経済同友会代表幹事円卓会議(書面開催 2月15日表決)
・2020年度経済同友会「東西首脳懇談会」(3月4日 オンライン開催)
・中部・関西経済同友会合同懇談会(令和3年4月2日 オンライン開催)
・第33回全国経済同友会セミナー(デジタル大会)(同4月8日 オンライン開催)
・6経済同友会(京都・神戸・滋賀・奈良・和歌山・関西)代表幹事懇談会(同4月21日 オンライン開催)
※開催を予定していた以下の会合は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から延期・中止とした。
・第7回西日本経済同友会代表者会議(7月21日 於:福岡市)
・第118回西日本経済同友会会員合同懇談会(10月23日・24日 於:大阪市)

【委員会等の活動(2):国・自治体への政策提言および企業・経営者等への行動促進を主目的とする委員会の活動】

④ 企業経営委員会

講演会4回(7月17日、9月17日、12月22日、1月12日)、委員会会合4回(6月4日、10月16日、1月27日、3月5日)を開催するなど精力的に活動した。その成果として、提言「企業変革のビッグチャンス~『腹落ち』する骨太な戦略ストーリーとイノベーション創出に向けた組織・働き方の改革~」をとりまとめ、令和3年4月5日に記者発表した。

⑤ 中堅企業委員会

講演会5回(9月18日、12月7日、3月12日、3月25日、4月13日)、両代表幹事と語る会(9月4日)、委員会会合1回(6月15日)を開催した。

⑥ 未来ビジネス委員会

講演会6回(8月4日、10月14日、11月16日、3月5日、3月8日、4月5日)、委員会会合1回(6月23日)を開催した。活動の成果をまとめ、4月幹事会に中間報告を行った。

⑦ グローバル・ベンチャーエコシステム委員会

講演会6回(7月13日、9月10日、12月15日、2月8日、3月12日、4月7日)、委員会会合2回(6月23日、3月19日)に加え、ベンチャー・フレンドリーディナー(9月11日)、第1回INNOVATOR会議(ネットワーキング)(12月17日)、Kansai Friendly Pitch 2021(ピッチ)(1月28日)、Friendly Meet Up KANSAI(リバースピッチ)(2月26日)、沖縄&関西ベンチャー・フレンドリーディナー(3月5日)を開催した。そして、活動の成果を報告書にまとめ、4月30日に対外発表した。

⑧ 関西ブリッジフォーラム推進委員会

大阪イノベーションハブなどと協力して、本会会員がベンチャー企業経営者などとのネットワーキングを深める関西ブリッジフォーラムを5回(7月31日、9月16日、11月25日、1月29日、3月17日)開催した。Friendly Meet Up KANSAI(リバースピッチ)(2月26日)も共催した。

⑨ 環境・エネルギー委員会

講演会4回(8月27日、10月21日、12月11日、1月18日)、会合3回(6月5日、2月12日、3月10日)と、英国の企業団体・都市・COP26アジア大洋州特使との意見交換(12月3日)を含め精力的に活動した。その成果として、提言「脱炭素社会に向けた変革・成長のフロントランナーを目指せ ~2025大阪・関西万博を飛躍のマイルストーンに~」をとりまとめ、4月12日に記者発表した。

⑩ 文化の力委員会

講演会5回(8月17日、9月3日、9月29日、11月5日、1月13日)、視察・鑑賞会2回(10月23日、11月13日)、委員会会合3回(6月9日、12月14日、2月17日)を行った。3年間の成果を、提言「アートを活かした人材育成と都市価値向上へ。~大阪・関西の未来を文化の力でつくる~」をとりまとめ、3月2日に記者発表した。

有志企業で構成する実行委員会による第3回「なにわの企業が集めた絵画の物語」展は、1月30日~2月13日の会期で開催予定であったが、感染拡大状況に鑑み延期した。一方、対話型鑑賞教室は出前講座の形で予定通り実施した。また、全3回の記録と成果をとりまとめた書籍『なにわの企業が集めた絵画の物語~コーポレート・アート・コレクション見聞録~』を発行し、大阪府下の小学校1030校、関西の約30の美術館などに配布する予定。

⑪ KANSAI未来都市委員会

講演会3回(8月19日、11月5日、12月9日)、委員会会合3回(6月17日、2月9日、3月16日)を開催した。前年度の関西Reデザイン委員会からの活動の成果を踏まえ、提言「『いのち輝く都市』を共創するKANSAIへ」をとりまとめ、4月9日に記者発表した。

⑫ 大阪・関西EXPO2025委員会

講演会6回(9月15日、11月25日、11月27日、12月14日、2月10日、2月18日)、委員会会合2回(6月19日、令和3年4月28日)を開催した。加えて、4月には、国が予定する「万博関連事業計画」に対し、大阪府・市・関西経済連合会・大阪商工会議所・2025日本博覧会協会とともに要望書をとりまとめ、建議した。

⑬ MICE・IR推進委員会

講演会4回(8月19日、10月16日、12月3日、令和3年5月6日)、委員会会合1回(6月24日)を開催した。

⑭ 関西広域インフラ委員会

講演会2回(9月29日、10月20日)、委員会会合1回(6月8日)を開催した。加えて、自治体や他の経済団体と共同で高速道路網、リニア・北陸新幹線、南海トラフ地震等に対する緊急防災対策促進などを求める要望活動を行った。

⑮ 「関西×スポーツ」委員会

講演会4回(9月7日、11月16日、3月11日、4月5日)、委員会会合1回(6月11日)を開催した。これらの活動の成果を報告書にとりまとめ、4月幹事会に報告した。

⑯ 西日本経済同友会会員合同懇談会実行委員会

第118回西日本経済同友会会員合同懇談会は10月23日・24日開催予定で準備を進めたが、コロナ禍で本来の目的である「会員相互の交流深化」の目的の達成ができないと判断し、中止とした。

⑰ 子育て問題委員会

講演会5回(9月1日、9月25日、10月27日、11月12日、12月1日)、委員会会合4回(6月16日、7月14日、3月12日、4月14日)を開催した。その成果として、提言「『子育て支援』を企業の成長戦略に~Well-being向上型戦略への大転換~」をとりまとめ、5月10日に記者発表した。

⑱ 大阪食文化委員会

講演会4回(9月24日、11月6日、2月24日、3月24日)、割烹体験視察1回(11月6日)、委員会会合2回(6月22日、10月8日)を開催した。

⑲ 安全保障委員会

講演会4回(8月18日、9月25日、12月18日、1月25日)、委員会会合3回(6月25日、2月9日、4月9日)を開催した。大韓民国訪問団派遣に代わり、オンライン会議を開催、8月25日に外交部や有識者と、9月17日に統一部と意見交換を行った。これらの活動の成果を踏まえ、提言「切れ目のない安全保障体制の実現へ~激化する米中覇権争いの今、東アジアの安定に向けて日本がなすべきこと~」をとりまとめた。(5月17日記者発表予定)

⑳ 経済政策委員会

講演会4回(8月31日、10月5日、11月12日、1月14日)、委員会会合3回(6月18日、3月9日、4月7日)を開催した。その成果として、提言「ポストコロナの日本経済復活に向けて~4つのDXによるReshaping ourselvesと関西モデルで挑戦(4DX+1C)~」をとりまとめ、5月6日に記者発表した。

㉒ 地方分権委員会

講演会2回(8月20日、10月2日)、委員会会合3回(6月18日、2月10日、3月17日)を開催した。また、コロナ対応を対象として、国と地方の関係性や問題の所在を明らかにすべく11月に「都道府県・指定都市へのアンケート」を実施した。回答率100%のその回答内容の分析を踏まえ、報告書「コロナ禍の今、地方自治を問う」をとりまとめ、3月30日に記者発表した。

㉓ 海外交流委員会

講演会5回(8月20日、10月9日、11月19日、2月26日、3月16日)、委員会会合1回(6月12日)を開催した。

関西・ハーバードフォーラム2020は開催を延期した。

恒例の秋の訪米代表団の派遣に代わり、オンライン会議とした第28回ボストン・シンポジウムの開催に協力するとともに、委員会メンバーが参加した。
・第28回ボストン・シンポジウム(11月20日深夜、21日早朝)

「世界、経済、社会と私たち自身の再構築~未来を創る選択」をテーマに、ハーバード大学ケネディスクール、ボストン日本協会と共催。本会からは深野弘行・古市健両代表幹事をはじめ総勢19名が、米国側は、11名が参加した。(更に日米あわせて約30名が傍聴参加)

この他、9月16日の菅新内閣発足を受けて、代表幹事アピール「菅新政権に望む」をとりまとめ、9月30日に記者発表するとともに、政府に建議した。

事務局企画講演会は5回開催した。(コロナ禍への対応:6月29日、7月9日大阪都構想に関する情報提供:10月1日、10月7日大阪のスマートシティに関する情報提供:12月22日)

【委員会等の活動(3):主に特定事業の支援・実行に取り組む委員会の活動】

㉔ グローバル適塾支援委員会

グローバル適塾の会員増強やカリキュラムの充実などへの支援を行った。

㉕ お水汲み祭り支援委員会

堂島薬師堂節分お水汲み祭り(2月2日)の開催を支援した。

【委員会等の活動(4):会員相互の交流、自己啓発を主目的とする委員会の活動】

㉖ 会員懇談会

時宜を得た講師を招き、3回(9月10日、10月9日、12月2日)の講演会を開催し、会員の相互研鑽・交流を図った。

㉗ 経営塾

講演会を4回(11月24日、1月26日、3月17日、4月14日)開催した。変革・成長を続ける企業の経営者から話を聞き、意見交換することで、研鑽を図った。

㉘ 若手の会

講演会4回(10月1日、10月12日、2月16日、3月18日)、大阪七福神巡り(街歩き)(3月27日)の他、幹事会、総会合わせ12回開催し、意見交換に努め、次代の経済人としての資質向上を図った。更に、暑気払い懇親会(7月16日)、懇親ゴルフコンペ(11月28日)を開催し、メンバー相互の交流を深めた。

以上の委員会等の活動に加え、令和2年4月1日から5月11日までは、前年度の事業計画を引き継いで、前委員会の提言などの発表4件)なども行った。

【他経済団体などとの連携強化~本会の更なるプレゼンス向上に向けて①】

2018年11月に大阪開催が決定した2025年国際博覧会については、2025年日本国際博覧会協会に参画、開催準備に協力している。

他に、他経済団体や自治体などと共同し以下の要望等を発表、実現を働き掛けた。
・北陸新幹線の早期全線開業に関する要望書(北陸新幹線早期全線開業実現大阪協議会、7月)
・関西創生のための高速道路ネットワークの早期整備に関する要望(関西高速道路ネットワーク推進協議会、7月及び9月)
・令和2年度三重・奈良・大阪リニア中央新幹線建設促進に関する決議文(本会が参画するリニア中央新幹線早期全線開業実現協議会と奈良・三重県の3団体、9月)
・南海トラフ地震等に対する緊急防災対策促進に係る提言(南海トラフ地震等に対する緊急防災対策実行委員会、9月)

また、下記のように、他団体と共同で政策決定者や内外のリーダーとの懇談会も開催、参加した。
加えて産業振興、都市魅力向上でも連携を図った。
・自由民主党岸田文男政務調査会長、大阪府連所属議員と経済3団体との意見交換会7月17日)
・リチャード・メイJr駐大阪・神戸米国総領事との昼食懇談会9月14日)
・井上信治国際博覧会担当大臣との関西経済3団体との意見交換会9月27日)
・財務省幹部と関西経済団体との懇談会11月9日)
・「国際金融都市OSAKA推進委員会」準備会(12月23日)
・令和3年大阪新年互礼会代表者年頭あいさつ(ライブ配信)(1月4日)
・関西経済界と関西広域連合との意見交換会(1月28日)
・甘利明自由民主党税制調査会長との懇談会3月22日)
・「国際金融都市OSAKA推進委員会」設立総会(3月29日)
・西村康稔経済再生担当大臣と関西経済3団体との意見交換会令和3年4月8日)

このほか、「IR推進会議」「大阪MICE推進委員会」「ワールドマスターズゲームズ2021関西組織委員会」「ミナミ活性化協議会」など、大阪府・市や他団体と協力し、大阪の魅力・賑わいづくりにも継続的に取り組んだ。

本会が提言して設立された「関西サイエンス・フォーラム」「スポーツコミッション関西」「アーツサポート関西(ASK)」「関西キャリア教育支援協議会」などの活動に対しても支援を行った。また、本会が2018年に行った「関西ベンチャーフレンドリー宣言」は68企業・団体にまで賛同者が広がり、更に11月13日には「沖縄ベンチャーフレンドリー宣言」がなされるなど、他地域と連携した活動が行われた。

【発信力の強化~本会の更なるプレゼンス向上に向けて②】

報道機関への情報提供をはじめ、事業を広く一般に知らしめるとともに、理解を訴えるために、下記をはじめ、様々な活動を行った。
○代表幹事記者会見を12回開催し、記者からの質問に応じるとともに、本会の主張への理解を訴えた。
○報道機関からの要請に応じて代表幹事コメントなど42件を発信した。
○本会の活動の概要を掲載する会報を年間9回発行し、会員及び行政・自治体・報道機関などに提供した。
○ホームページへの掲載を通じて、提言をはじめ本会の活動を積極的に発信した。